SUV人気って何? 「太っちょ」を「カッコイイ」と感じる若者たち 走る性能にも変化が

2019年8月26日 08:11

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2019年上半期にSUV新車販売トップとなったホンダ「ヴェゼル」。(画像: 本田技研工業の発表資料より)

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 世界中でSUV人気が止まらない。ますます売れ行きを伸ばしているようで、トヨタ・カムリなど、これまでの売れ筋セダンのシェアを食っていく。ランボルギーニでさえSUVを用意したぐらいだ。その基礎には、車の性能に関する認識の変化があるようだ。「何をもってクルマを高性能と感じるのか?」が変化している。

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 まず、エクステリアのデザインから入ろう。SUVはウエストラインが高いのは知れたことだ。「カッコイイ」と思えるのかは、まずこのウエストラインの高さに注目するしかない。かつてのクルマの「カッコイイ」は「ワイドロー」のプロポーションで、現在のSUVとは対極にあった。

 戦後日本の自動車は、アメリカ車と比較するとどうしても小さい。初代カローラでは、現代の軽四輪自動車ほどの幅だったのだ。そのため、アメリカ車のワイドさと長さには到底及ばなかった。すると当然に、日本車はウエストラインが相対的に高く見えて、「カッコワルー」となっていた時代だ。

 近年では、SUVにクーペルーフを持つデザインが多くある。ウエストラインが高いのに、わざわざ屋根を低くする意味があるのだろうかと思ってしまう。しかし、そうしたデザイン上の「カッコイイ」は感覚論であり、「流行り」としか言いようがない。

 この傾向が出始めたのが30年ぐらい前からだっただろうか。いわゆる「暴走族」の車がスポーツカースタイルではなく、セダンが好まれてきたからだ。クーペボディが「走り屋」には人気だったのだが、それまで少数派と思われていた「ハコ」が「ナンパ車」と言われるようになったのだ。

 それから見逃せないのは、ワンボックスのミニバンの普及だ。車中泊などにも好都合で、日常の部屋が移動していく快適さがファミリーに限らず受け入れられた。軽四輪のほとんどもそのスタイルとなった。そうした実用車で育った世代は自然にミニバンを受け入れ、それをかっこよくしたSUVが羨望の的となったのであろう。

 そして見逃せないのが、「運転のしやすさ」だ。かつてのスポーツカーは「高回転型エンジンとクロスレシオのMT」を操って、ドライビングテクニック、つまり「ウデ」を競う場面を演出していた。しかし、ダウンサイジング・ターボエンジンの普及とモーターアシストなどにより、低速トルクの強いパワーソースが運転しやすく加速性能が良いことにユーザーが慣れてきたことがある。

 これまで加速性能の良さを表す指標は、「0-400m」の加速タイムだった。それが、いつの間にか「0-100km/h」の加速タイムで表されるようになっていた。つまり、高速でのエンジンの伸びの良さではなく、低速域での発進加速が重んじられるようになってきたのだ。

 これだと「ウィング」など空力特性を気にしなければならない領域ではなく、むしろ実用的な性能である。これなら、「ワイドロー」ではなくても「太っちょ」SUVでも不利になることはない。しかし、時速100km以上になれば前面投影面積が広いため空気抵抗は急激に高まり、走りの性能にダウンフォースを必要とする領域となるから、やはり「ワイドロー」が有利だ。

 おじさんが感じる「危険を冒さない現代若者気質」と、一致するのは当然だった。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

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