たたら製鉄が野生動物に及ぼした影響は千年を越えて残る 帯広畜産大の研究

2019年8月5日 10:45

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たたら製鉄の様子。(『先大津阿川村山砂鉄洗取之図 鉄ヲフク図』、東京大学 工学・情報理工学図書館 工 3 号館図書室 所蔵)

たたら製鉄の様子。(『先大津阿川村山砂鉄洗取之図 鉄ヲフク図』、東京大学 工学・情報理工学図書館 工 3 号館図書室 所蔵)[写真拡大]

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  • 近世と古墳時代の製鉄による明瞭な影響が確認された属の数。(画像:帯広畜産大学発表資料より)

 たたら製鉄と自然の関係といえば映画『もののけ姫』に詳しい。あの作品自体はもちろんフィクションだが、実際たたら製鉄による森林の減少は、千数百年の時を越えて今日になお影響を及ぼしているらしいという研究を、帯広畜産大学と国立環境研究所の研究グループが発表した。

【こちらも】森林の安定と変化には地下の菌類ネットワークが重要 京大の研究

 製鉄そのものはヒッタイト帝国の昔から存在するが(近年異説もあるがそれは余談となる)、日本列島において独自に発展を遂げたものはたたら製鉄と呼ばれる製鉄法である。炉に空気を送り込むため、「たたら」と呼ばれるフイゴを足で踏む。古墳時代頃から盛んになり、近代初期まで国内の鉄生産のほとんどをたたら製鉄が担っていた。

 たたら製鉄には(鉄鉱石はあまり用いず)砂鉄が使われ、そして燃料には木炭が使われる。日本列島では鉄鉱石の産出があまりなく、砂鉄は良質なものが多く、そして木材資源が豊富だからである。技術的にはともかく、文化的観点から見るとたたら製鉄は日本独自の発達を遂げたものであるという。

 そのようなたたら製鉄であるが、もののけ姫でも示されていたように、森を破壊される森の動物たちにとってみればたまったものではないのも、また一面の真実だ。近年の研究で、ざっと1万5,000年前頃から人類の活動の拡大により哺乳類の全般的な減少が見られたことが知られているが、今回の研究は、たたら製鉄に的を絞り、その影響による動物の増減を調べたものである。

 推定の結果として、分析が可能だった29属の動物のうち、21属において製鉄の影響を割り出すことができた。古墳時代においても、13属において統計的に意味のある影響が確認できたという。概略は2番目の画像を確認いただきたい。

 研究の詳細は、英国科学誌Scientific Reportsに掲載されている。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

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