AIによる肺がん検診の実用化目指す みずほ情報総研と福島県立医科大

2019年7月30日 07:22

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肺がん検診支援AIの開発工程図(イメージ図:みずほ情報総研の発表資料より)

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 AIの目でチェックし肺がんの早期発見も―。みずほ情報総研(東京都千代田区)は29日、福島県立医科大学(福島市)とAIを活用した肺がん検診の実用化に向け、共同研究を始めると発表した。胸部X線検査画像をAIが読み取ることで、検査の有効性の向上とともに医師の負担軽減を図る。両者は2021年以降にサービスを開始したいとしている。

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 共同研究には、同大学呼吸器外科学講座の鈴木弘行主任教授らが参加。胸部X線検査画像から病変などを正確に読み取る高精度のAIを共同開発し、肺がん検診での活用を目指す。具体的には、医師がX線検査画像を読み取り、診断を下す「読影」という作業の支援に用いる。

 Aの支援を受けることで、集団健診などで多くの画像を読影しなければならない際の医師の負担を軽減し、疲労からくる作業量の低下や異変の見落としなどを防ぐことができる。また、離れた場所から健診のサポートを行うことも検討するという。

 研究では同大学附属病院が収集した肺がん検診のデータや肺がん患者のデータをもとにAIを開発。実際の診断に使用して、読影の精度を調べるほか、医師の負担軽減につながるかどうかを検証する。

 また、2020年以降には遠隔地で行われる健診への支援について実証実験を行い、有効性が確認できれば、2021年以降に読影支援サービスを開始する。

 肺がんは初期段階にあまり自覚症状がないことから、がんの発見が遅れることが多い。そのため、集団検診で行われる胸部X線検査は肺がんを早期発見できる可能性があり、非常に重要だとされる。一方で、健診で読影作業にあたる医師の負担の大きさも課題。呼吸器を専門とする医師が比較的少ない福島県では、年間4000件以上の読影を行う医師もいるといい、医師不足が深刻な課題となっている。

 みずほ情報総研では「CTやMRIと比べ費用が安く、広く普及しているX線検査の精度をAIによって高めることに意義がある。肺がん検診の有効性を高めることで、肺がんの早期発見と早期治療につながると期待している」としている。

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