Microsoftが「Windows 1.0」を突如宣伝 目的は?

2019年7月12日 19:11

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 7月1日9時29分(現地時間)、Microsoftが運営しているTwitterのWindowsアカウント(@Windows)で、突然「Windows 1.0」の宣伝が開始された。アイコンはWindows 10のものからWindows 1.0当時のものへと変更、さらにInstagramはこれまでの投稿を全て削除した上で宣伝しているという徹底ぶり。何の前触れもない発表に、ネット上では困惑する声も多かった。

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 Windows 1.0と言えば、1985年11月20日に発売されたMS-DOS用のOSだ。日本でも翌86年12月に販売されている。いわば、現在のWindowsの正当な祖先にあたる。しかし、メモリー使用量の上限がわずか640KBに制限されたり、負荷が大きかったりと、運用する上で致命的な問題を抱えていた。そのため、実際のところ評価は芳しくない。

 ではなぜ、発売から34年経過した今になってWindows 1.0をクローズアップするのだろうか。実は、NetflixのオリジナルSFドラマ「ストレンジャー・シングス」のシーズン3配信開始とタイアップしていたのだ。本作は、SF、ミステリー、オカルトの要素をぎゅっと詰め込んだ娯楽大作。80年代を舞台にしており、Windows 1.0とは同世代という接点がある。

 「ストレンジャー・シングス」シーズン3は、7月4日に配信を開始したが、当初はタイアップの関連性は明言されなかった。しかし、11日9時30分(現地時間)に投稿されたツイートで、ついに「#StrangerThings3 @Netflix.」とタグが付けられ、タイアップであったことが確定。

 Windows 1.0は、Microsoftにとって成功とは言い難い苦い過去だ。しかし、それを逆手にとってプロモーションに利用するとは、並の企業ではなかなかできない。壮大かつユニークなプロモーションもあってか、「ストレンジャー・シングス」は過去最高の視聴数を記録した。なお、本作はMicrosoft以外にも、コカ・コーラやNikeもタイアップしている。作中の舞台である80年代になぞらえ、当時販売された商品を限定復刻する。(記事:森野沙織・記事一覧を見る

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