極低温下では熱伝えないはずの絶縁体で熱伝導を確認、未知の中性子の影響か

2019年7月5日 08:53

印刷

記事提供元:スラド

 京都大学や東京大学、茨城大学の研究グループが、米ミシガン大学、米ロスアラモス国立研究所と共同で未知の中性粒子を発見したと発表した(京都大学の発表ITmedia)。

 金属には電気や熱をよく伝えるという性質がある。金属中には伝導電子と呼ばれる熱や電気を伝える電子が含まれており、これによってこの性質が生まれている。一方、電流を流さない絶縁体には伝導電子が含まれておらず、そのため絶対零度近傍では絶縁体は電気だけでなく熱も伝わらなくなる。

 しかし、低温下では絶縁体となるイッテルビウム12ホウ化物(YbB12)を絶対零度近傍の0.1Kまで冷却して熱伝導率を測定したところ、この状態では本来熱伝導が発生しないはずにも関わらず、金属的な熱の伝導が行われることが分かったという。これは、この物質中に電荷を持たずに熱のみを伝える未知の中性子が存在していることを示唆しているという。

 スラドのコメントを読む | サイエンスセクション | サイエンス

 関連ストーリー:
ダイヤモンド半導体、2030年ごろには実用化へ 2019年06月12日
音を片側にしか伝えない防音壁、理論的に実証される 2011年05月11日
岐阜大学などが新種の「超原子核」を発見、「MINO event (美濃イベント)」と命名 2019年03月01日
陽子内部のクォークには超高圧力が働いている 2018年05月30日

※この記事はスラドから提供を受けて配信しています。

関連キーワード

関連記事