毒の「カクテル」作り出すヘビの進化 沖縄科技大の研究

2019年6月16日 12:26

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ヤマカガシ

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 カクテルのレシピが変幻自在であるように、毒ヘビもまた自らの毒を変幻自在に進化させるものであるらしい。沖縄科学技術大学院大学(OIST)の研究だ。

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 毒ヘビは現代においてなお人類にとって小さからぬ脅威である。WHOの発表によれば、ヘビの毒にやられる人の数は世界で年間270万人、数万から十数万の人が毎年死亡しているという。

 ヘビの仲間は全部で3,000種ほどが知られているが、そのうち俗にいう「毒ヘビ」は500種前後であるといわれる。毒ヘビに分類されるのは、コブラ科、クサリヘビ科、そしてナミヘビ科のヘビである。ちなみに日本の3大毒ヘビといわれるニホンマムシ・ヤマカガシ・ハブのうち、ニホンマムシとハブはクサリヘビ科、ヤマカガシはナミヘビ科に属している。

 今回の研究には、50種類ほどの毒ヘビのデータが用いられた。ハブからサンゴヘビ(ブラジルの毒ヘビ)まで多様だが、かれらはいずれも、6,000万年ほど前の共通祖先から分岐した子孫である。

 研究は、量的遺伝子の原理と数理モデルにもとづいて、ヘビ毒生成に関わる遺伝子がどのように相互的に進化を遂げてきたのかを解明しようとするものだ。

 結論としては、ヘビ毒の毒素はそれぞれ独立した遺伝子が関与して発現するが、それらの遺伝子は相互独立に自由に進化しており、つまり毒液のレシピは必要に応じて「改善」され続けてきたのだ、ということが判明したという。どういうことかというと、毒ヘビの獲物が毒に対する抵抗性を進化的に獲得しても、毒ヘビは毒の調合を変えることでその戦術を破ることができた、というわけである。

 といっても自然界の毒ヘビが非常に多様なレシピを持っているというわけではない。実際に存在するヘビ毒の配合の範囲は驚くほど狭いものであるらしい。

 研究の詳細は、Molecular Biology and Evolution誌オンライン版に掲載されている。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

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