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市民農園での農作業の健康効果を研究 アグリメディアと東大

2019年6月5日 09:43

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 栽培指導などのサポート付き市民農園を運営するアグリメディア(東京都新宿区)は4日、市民農園での農作業がもたらす健康効果について、東京大学と共同で研究を行うと発表した。同社が全国93カ所で展開している市民農園の利用者らにアンケート調査を行い、健康状態や食習慣などの変化を調べる。市民農園と健康のかかわりについて大規模な調査が行われるのは、全国で初めてだという。

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 アグリメディアは、耕作放棄地や有休農地を市民農園として貸し出す「シェア畑」を2011年から展開。「菜園アドバイザー」というスタッフが、苗の植え方や育て方を個別指導してくれるサービスなどが好評で、現在、農園は首都圏を中心に93園にまで拡大。これまで、延べ2万人の市民が利用したという。

 今回の研究は、東京大学大学院農学生命科学研究科の曽我昌史助教らの協力を得て実施。市民の農園での農作業が、健康や自然環境に対する意識にどのような影響を与えるかを調査する。

 調査は新たに農作業を始めるシェア畑の新規契約者200人を対象に実施。利用開始前と、開始から3カ月後、6カ月後、9カ月後の4回、アンケートに答えてもらい集計、分析。市民農園などを利用していない人200人へのアンケート結果と比較する。設問は65問あり、健康状態や野菜・果物を食べる頻度、自然に対する意識、病院に通う頻度などを尋ねる。調査期間は来年3月までの予定。

 同社によると、近年、農作業の健康に対する効果の研究が進み、農作業を治療に生かす試みも行われているという。順天堂大学とヤンマーなどの研究では、農場で1泊2日の農作業をしたビジネスパーソンの唾液の成分を調べたところ、「幸せホルモン」と呼ばれるオキシトシンの分泌が高まることが分かった。また東京大学と田無病院の調査では、認知症患者に農作業をさせたところ、「他社との会話が増えた」「曜日を理解するようになった」などの変化が見られた。

 同社は「調査によって、市民農園の利用と健康効果との関係を明らかにすることによって、市民農園の新たな価値を都市の住民に提供したい」としている。

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