29日の米国市場ダイジェスト:NYダウ221ドル安、世界経済減速への懸念で投資家心理が悪化

2019年5月30日 07:42

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記事提供元:フィスコ


*07:42JST 29日の米国市場ダイジェスト:NYダウ221ドル安、世界経済減速への懸念で投資家心理が悪化
■NY株式:NYダウ221ドル安、世界経済減速への懸念で投資家心理が悪化

米国株式相場は下落。ダウ平均は221.36ドル安の25126.41、ナスダックは60.04ポイント安の7547.31で取引を終了した。貿易摩擦問題を巡り、中国が米国への対抗措置としてレアアースの輸出制限を検討していることが報じられ、売りが先行。レアアースの供給制限は米産業界に大打撃となるほか、米中対立の長期化が世界経済に悪影響を与えるとの見方が強まった。投資家のリスク選好姿勢が後退し、終日下落となった。セクター別では、半導体・半導体製造装置や保険が上昇する一方で、耐久消費財・アパレルや医薬品・バイオテクノロジーが下落した。

アパレルのアバクロビー&フィッチ(ANF)は、既存店売上高が予想を下振れたほか、弱気な業績見通しが嫌気され26%超の急落。高級ブランドのカプリ・ホールディングス(CPRI)は、通期見通しを下方修正し大幅下落。米中貿易摩擦の長期化懸念から、ソフトウェアのマイクロソフト(MSFT)、検索大手のアルファベット(GOOGL)、SNSのフェイスブック(FB)など主要ハイテク株が売られた。一方で、精密機器のサイプレス・セミコンダクター(CY)は、身売り検討が伝わり大幅上昇となった。

大手行のJPモルガン(JPM)とシティグループ(C)は、貿易摩擦や英国のEU離脱などを理由に4-6月期のトレーディング収入減少を警告した。

Horiko Capital Management LLC


■NY為替:イタリア財政問題を警戒してユーロ売り強まる

29日のニューヨーク外為市場でドル・円は、109円19銭まで下落後、109円70銭まで反発し109円58銭で引けた。米中貿易問題の長期化・深刻化に加えて、トランプ米大統領の弾劾の可能性を懸念したドル売り・円買いが強まった。その後、低調な7年債入札結果を受けた債券利回りの上昇を意識してドル買いが再燃した。

ユーロ・ドルは、1.1157ドルから1.1125ドルまで下落し、1.1132ドルで引けた。財政問題を巡るイタリアと欧州連合(EU)の対立を警戒したユーロ売りが継続した。ユーロ・円は、121円58銭まで下落後、122円10銭まで戻した。ポンド・ドルは、1.2671ドルまで上昇後、1.2612ドルまで下落し、1.2623ドルで引けた。英国の合意なき離脱(ハードブレグジット)を懸念したポンド売りが続いているようだ。ドル・スイスは、1.0050フランから1.0086フランまで上昇した。


■NY原油:小幅安で58.81ドル、一部国内パイプライン再開で下げ幅縮小

NY原油先物7月限は小幅安(NYMEX原油7月限終値:58.81 ↓0.33)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物7月限は前日比-0.33ドルの58.81ドルで通常取引を終えた。時間外取引を含めた取引レンジは56.88ドル−59.14ドル。米中貿易問題の長期化・深刻化の影響で世界経済が悪化し、原油需要は大幅に減少するとの懸念が広がり、一時56.88ドルまで売られた。しかしながら、先週閉鎖されていた米国内の一部パイプラインが再開される見込みとなったことから、在庫増の思惑は後退し、原油先物は下げ幅を縮小した。


■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC) 27.75ドル -0.15ドル(-0.54%)
モルガン・スタンレー(MS) 42.19ドル +0.02ドル(+0.05%)
ゴールドマン・サックス(GS)188.05ドル -0.54ドル(-0.29%)
インテル(INTC) 44.23ドル +0.66ドル(+1.51%)
アップル(AAPL) 177.38ドル -0.85ドル(-0.48%)
アルファベット(GOOG) 1116.46ドル -17.69ドル(-1.56%)
フェイスブック(FB) 182.19ドル -2.12ドル(-1.15%)
キャタピラー(CAT) 121.48ドル -0.11ドル(-0.09%)
アルコア(AA) 22.46ドル -0.09ドル(-0.40%)
ウォルマート(WMT) 102.12ドル -0.30ドル(-0.29%)
スプリント(S) 6.80ドル -0.11ドル(-1.59%)《SF》

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