ヒーハイスト精工は20年3月期営業利益横ばい予想だが調整一巡期待

2019年5月21日 09:30

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 ヒーハイスト精工<6433>(JQ)は小径リニアボールブッシュの世界トップメーカーである。直動機器を主力として精密部品加工なども展開している。19年3月期は半導体業界向けが減速して減益での着地となった。そして20年3月期は営業利益横ばい予想としている。株価は上値の重い展開だが、調整一巡して反発を期待したい。

■小径リニアボールブッシュの世界トップメーカー

 球面加工技術や鏡面加工技術をコア技術として、直動機器(リニアボールブッシュや球面軸受けなど)、精密部品加工(レース用部品や試作部品の受託加工など)、ユニット製品(液晶製造装置向けなど)を展開している。小径リニアボールブッシュの世界トップメーカーである。

 主力のリニアボールブッシュは、機械装置の稼働部に用いられる部品で、金属と金属の接触面を鋼球が転がりながら移動することで摩擦による影響を低減し、機械装置の寿命を延ばす役割を担っている。

 19年3月期の製品別売上構成比は直動機器59%、精密部品加工31%、ユニット製品10%である。主要販売先はTHK<6481>および本田技研工業<7267>である。収益面では産業機械・電子部品・自動車関連の設備投資動向の影響を受けやすく、設備投資関連のため四半期業績が変動しやすい特性もある。

 収益力向上および経営基盤強化に向けた重点方針として、生産能力向上とコストダウンによる採算性向上、QCDの徹底追求による顧客対応力の強化、顧客ニーズに適合した応用製品の開発と販売、主力製品リニアボールブッシュの競争力強化による拡販、提案型技術営業による新規顧客開拓、海外販売網の構築・強化、従業員の上昇志向と能力の向上を掲げている。

■19年3月期減益、20年3月期営業利益横ばい予想

 19年3月期の連結業績は、売上高が18年3月期比4.8%増の27億50百万円、営業利益が21.0%減の1億77百万円、経常利益が24.5%減の1億77百万円、純利益が32.7%減の1億11百万円だった。配当は18年3月期と同額の年間4円(期末一括)とした。配当性向は22.5%となる。

 売上高は精密部品加工とユニット製品が順調に推移してほぼ計画水準の増収だが、各利益は計画を下回り、減益での着地となった。主力の直動機器が半導体業界向けの減少で微減収となり、品質管理や納期対応の厳格化に伴う人件費や外注費の増加も影響した。製品別売上は直動機器が0.7%減収、精密部品加工がレース用部品の短納期対応で16.2%増収、ユニット製品が国内向けの増販で7.4%増収だった。

 20年3月期連結業績予想は、売上高が19年3月期比5.3%減の26億03百万円、営業利益が0.5%増の1億78百万円、経常利益が0.7%増の1億78百万円、純利益が3.6%増の1億15百万円としている。配当予想は18年3月期と同額の年間4円(期末一括)としている。予想配当性向は21.7%となる。収益改善を期待したい。

■株価は調整一巡期待

 株価は上値の重い展開だが、調整一巡して反発を期待したい。5月20日の終値は299円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS18円44銭で算出)は約16倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間4円で算出)は約1.3%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS534円58銭で算出)は約0.6倍、時価総額は約19億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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