期待のナノテク新素材「プランベン」の創製に世界初成功 名大などの研究

2019年5月15日 16:19

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プランベンの原子分解能STM像。(画像:名古屋大学発表資料より)

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 名古屋大学は、ナノマテリアルの新素材「ブランベン」の創製に世界で初めて成功したと発表した。ブランベンというのは鉛(ラテン語でブランバム)の蜂の巣上構造の単原子層物質のことである。研究に参加しているのは名古屋大学大学院工学研究科の柚原淳司准教授、修士2年の賀邦傑氏、松波紀明非常勤研究員らで、フランス・エクス-マルセイユ大学のギー・ルレイ名誉教授らとの日仏国際研究によるもの。

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 まずグラフェンというものがある。グラファイト、カーボンナノチューブ、フラーレンなどの基本的な構造のことで、1原子の厚さの炭素のシートである。ダイヤモンド以上に強い結合、世界で最も高い張力を持ち、また電気の伝導性も極めて良い。ただし電気伝導性を制御することが難しい、という難点がある。

 炭素原子は原子番号6番、質量の軽い元素である。これを重い元素で置き換えた新素材を作ることができれば、電気伝導性の制御はより容易になるという理論的予測は数多く報告されていた。そこで重い鉛元素でポストグラフェンを創製することは、「至高の目標」とまで言われ、世界中で研究されているのである。

 実験では、パラジウムの結晶表面に鉛を蒸着、500度で真空過熱してパラジウム鉛合金被膜を作成してそれを冷ますと、合金被膜表面にプランベンができることが見いだされたと言う。

 なお研究の副産物として、非常にユニークな結晶構造を持つ物質が発見されたため、これは「ナノウォーターキューブ」と命名されている。

 研究の詳細は、ドイツ化学会系材料科学専門誌「Advanced Materials」電子版に掲載されている。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

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