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キャッシュレス決済に新規参入相次ぐ (3-3) サービス・キャンペーンが良く分からない!

2019年5月9日 17:42

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 もう一つの問題は、各キャッシュレス決済事業者がそれぞれ生き残りをかけて実施しているキャンペーンの内容が、どうにも分かり難いことだ。「今だけ」とか「当たれば」というキャンペーンが、多くの利用者の支持を得ているのだろうか。多少でも得になるのであればと、色々なサービスに申し込むと、にぎやかなメールサービスがひっきりなしに舞い込んでくる。

【前回は】キャッシュレス決済に新規参入相次ぐ(3-2) 加盟店が良く分からない!

 内容を見ると、冒頭には買い物をしなければ損になるようなコメントがあり、キャンペーンへのエントリーを求めたり、「今だけだから」と参加を煽る内容である。大層なサービス内容を記載した最後に、「○○名様に抽選で○○ポイント贈呈」などというのもある。誇大広告ではないかも知れないが、アイキャッチャーが過ぎる。メール配信を辞退したら、以前の静寂が戻って来た。

 キャッシュレス決済事業者が勘違いをしているのではないかと感じることがある。キャンペーンをやって一時的に大きな還元をしても、利用者をつなぎ留めておくことは出来ない。利用者が固定客として長続きするかどうかは別なのだ。

 キャッシュレス決済事業者は、スマホのユーザーのように高額な対価と引き換えに、長期間の固定的な利用が見込める利用者を相手にしているのではない。得だと思えば、許された範囲で最大限の取引をする人は多いだろうが、よそで得なキャンペーンが始まれば、そちらを利用する。利用者を縛り付けるような特別のアイテムを手にしている事業者は存在しない。

 多くの利用者が求めるのは、今まで1%だった還元率が、1.5%や2%になって長く続き、どこの店でも利用できるようになることではないのか。「今だけ1000ポイント」や、「当たれば1000ポイント」のようなキャンペーンの話題性は高いが、実利を感じる利用者がどれくらいいるのだろう。

 分かり難さが払拭されないと、キャッシュレス決済の利用に踏み切れない、「キャッシュレス決済難民」に止まるリスクすら感じられる。国民に広く定着させるには、官民の知恵を絞って分かり易さを訴求すべきだろう。(記事:矢牧滋夫・記事一覧を見る

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