JAMSTEC、大気汚染源の鉄エアロゾルが海洋生態系の栄養源となる事実を分析

2019年5月8日 19:23

小

中

大

印刷

(a, d, g)エアロゾル中の全ての鉄粒子のうち人為起源鉄の割合。(b, e, h)大気中の化学反応まで考慮した、人為起源の溶存鉄粒子の割合。(c, f, i)大気中の化学反応を考慮しない、人為起源の溶存鉄粒子の割合。(画像:海洋研究開発機構発表資料より)

(a, d, g)エアロゾル中の全ての鉄粒子のうち人為起源鉄の割合。(b, e, h)大気中の化学反応まで考慮した、人為起源の溶存鉄粒子の割合。(c, f, i)大気中の化学反応を考慮しない、人為起源の溶存鉄粒子の割合。(画像:海洋研究開発機構発表資料より)[写真拡大]

写真の拡大

 JAMSTEC(海洋研究開発機構)は、大気汚染源でもある人為起源の酸化鉄によるエアロゾルが、海洋生態系における重要な鉄分の補給源となっている事実を、計算により明らかにした。

【こちらも】文明が生み出す鉄エアロゾルが気候に影響、温暖化にも関与か 名大などの研究

 ヒトにとってもそうだが、それ以外の多くの生物にとっても鉄は重要な栄養素である。生態系の中で循環する鉄分のほとんどは、自然環境に由来するものであり、主には砂漠から吹き上げられる鉄分がそれを充当していると考えられてきた。

 だが近年、大気汚染の影響を受けて鉄を多く含むようになったエアロゾルが、高い鉄融解率を持つという観測データが多く示されていた。観測データであるので何故そのようになるのかは明らかでないのだが、実際の海洋生態系に及ぼされる大気汚染の栄養面での影響について、JAMSTECは分析を行った。

 大気中のエアロゾルには、鉄分が3.5%ほど元々含まれている。その中にさらに1%程度含まれる「溶存鉄」と呼ばれるものが海洋の植物プランクトンにとって重要な栄養素であるのだが、一般的に、海洋において植物プランクトンが利用することのできるよう存鉄は、多くの海域で著しく不足している。従って、大気から多くの溶存鉄が供給されれば、ひいては海洋生態系や気候などにも大きな影響が及ぶことが考えられる。

 今回、研究チームはIMPACT/TM4-ECPL/CAM4/GEOS-Chemという4つの数値モデルを用意し、解析を行った。結果としてIMPACTというモデルが最もデータを正確に説明できることが分かったのだが、その分析内容によると、やはり北太平洋や南大洋など鉄不足の海域においては、大気から供給される大気汚染物質由来の溶存鉄が海洋生態系に重要な役割を果たしていることが示唆されるという。

 なお、研究の詳細はScience Advancesに掲載されている。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

関連キーワード鉄分海洋研究開発機構

広告

広告

写真で見るニュース

  • 8月16日に行われたNASAによる発表の様子 (c) NASA Television
  • 「HondaJet Elite」(画像: 本田技研工業の発表資料より)
  • ダイハツ・タント(画像: ダイハツ工業の発表資料より)
  • あおり運転対策にこだわるなら、360度対応ドライブレコーダーの設置が考えられる。画像はイメージです。
  • 概要モードを表示し、「新しいデスク」をクリックすれば仮想デスクトップが追加される。目的ごとに使い分ければ作業効率が大幅にアップするだろう。
  • 「HomePod(ホームポッド)」(画像:アップルジャパンの発表資料より)
  • 「S-mile(スマイル)」によるデリバリーのイメージ。(画像: 藤田観光の発表資料より)
 

広告

ピックアップ 注目ニュース