「気持センシングラボ」にエイベックス参画 行動分析にバイタルデータ活用

2019年4月25日 21:09

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「気持センシングラボ」のロゴ。(画像:大広の発表資料より)

「気持センシングラボ」のロゴ。(画像:大広の発表資料より)[写真拡大]

 総合広告会社の大広(大阪府大阪市)は24日、SOOTH(東京都港区)ほか3社との共同研究プロジェクト「気持センシングラボ」に、エイベックス(東京都港区)が新たに参画すると発表した。「来場者分析システム」を持つエイベックスの参画により、バイタルデータを活用して生活者の行動を探る同プロジェクトに新たなデータ軸を与え、より深い洞察が可能になることが期待される。

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 気持センシングラボは、脳波や視線などのバイタルデータを企業のマーケティング活動に利用することを目的に、昨年8月に発足した共同研究プロジェクト。センシング技術やAIなどの先進テクノロジーを活用して生活者理解を深め、生活者にとって心地よいコミュニケーションの創造を目指すという。大広、エイベックス、SOOTHのほか、ヒトクセ(東京都新宿区)、ビデオリサーチ(東京都千代田区)の「ひと研究所」、ソネット・メディア・ネットワークス(東京都品川区)が参画している。

 バイタルデータのセンシングと分析・評価(SOOTH)、独自開発したトラッキング技術による動画配信時のユーザー行動分析(ヒトセグ)など、各社が独自の技術を持ち寄り、プロジェクト全体のプロデュースを大広が担当する。

 新たに参画を決定したエイベックスが開発した来場者分析システムは、カメラが検知した来場者の顔の表情をAIが分析、「喜び」、「悲しみ」、「驚き」といった感情と、ライヴの盛り上がりや演奏中の楽曲との関連性を解析・数値化する技術。これにより定量的な効果測定が困難だったエンタテイメントの客観的評価が可能になるという。

 同プロジェクトでは、第1弾として動画についての研究をスタートさせるとしている。広告スポンサーの動画をもとに実証実験を行い、調査結果レポートを発表する予定だ。さらに対象を動画以外にも拡大し、さまざまなコミュニケーションがもたらす体験が生活者の行動にどう影響するかを分析・評価するという。

 マーケティングは、従来のリサーチ手法で得られる定量・定性データに基づいた分析から、先進テクノロジーを駆使して脳波や視線の動きなどのバイタルデータから生活者の「気持」を探り、行動を予測するという新たな局面に移行しつつあるようだ。(記事:Kei_T・記事一覧を見る

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