健全な財務状況とは? 事業運営のカギを握る資金繰りのポイント

2019年4月19日 20:03

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 30年間続いた平成が終わりを告げ「令和」の足音がそこまで聞こえてきている2019年4月、戦後最長の景気拡大・回復と勇ましい掛け声がそこかしこから聞こえてきます。

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 企業の倒産件数は10年連続で前年比マイナスを示し、2018年は過去30年で3番目の低水準を記録したものの、8,235件の企業が倒産しているのも事実です(東京商工リサーチ調べ)。業種別で見てみると軒並み減少傾向にあるなかでサービス業が前年比3.2%増の2,512件、小売業が同1.3%増の1,132件と内需の冷え込みが目立つ結果となっています。

■キャッシュフローの悪化が財務状況の足を引っ張る

 売上の増減が事業運営に大きな影響を及ぼすことは簡単にイメージできますが、売上と運転資金額が比例関係であることは見落とされがちで、業績好調でもキャッシュフローが悪化し、厳しい財務状況に陥るケースが珍しくありません。

 事業運営のカギを握るのは業績を成長させながらしっかりとした資金繰りを行い、キャッシュフローを健全に保つことだと言えるでしょう。資金循環を示すキャッシュフローは流動性の高い資産が多ければ健全化し、流動性の低い資産が多ければ悪化します。

■キャッシュフローを悪化させる流動性の悪い資産とは?

 ひと口に資産といっても様々な有形資産・無形資産が存在し資産の形は千差万別です。不動産や有価証券などは判りやすい有形資産ですが、小売業が抱える在庫も有形資産として計上されます。

 在庫の回転率が高ければ「棚卸資産回転期間」が短縮されキャッシュフローが健全だと言えますが、消費の伸び悩みで回転率が下がれば小売業の財務状況を直撃し、最悪なケースでは倒産に至ります。

 また未回収の売掛金や支払期日前の手形なども、資産ではあるものの現金に置き換えるまでに時間がかかるため流動性の低い無形資産として分類されます。期日前の手形は裏書譲渡することもできますが、支払に迫られる状況で売掛債権は絵に描いた餅のような存在です。

■キャッシュフローを健全化させる効果的な資金繰りの方法とは?

 資金繰りのために借入れで外部資金を引き込むケースは珍しくありませんが、借入れには返済義務が生じるため月々の返済が借入れ後の財務状況に負担となるケースも珍しくありません。

 キャッシュフロー健全化には保有する流動性の低い資産の処分が効果的です。回転率の低い不良在庫は値引きしてでも資金に置き換えるべきでしょうし、無形資産である売掛債権を資金に置き換えるファクタリングなど新たな資金調達手段の登場で、資金調達のハードルは下がりつつあります。

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