センサーの世界市場拡大、自動車やアパレルなど多様な分野で採用広がる

2019年3月20日 20:50

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センサーの世界市場遷移。(画像: 富士キメラ総研の発表資料より)

センサーの世界市場遷移。(画像: 富士キメラ総研の発表資料より)[写真拡大]

 富士キメラ総研は19日、センサーの世界市場調査結果を発表した。センサー市場は「認識」や「自動化」のニーズを受け、電子機器、自動車、医療、社会インフラなど多くの分野において需要が増加、市場が拡大しているという。

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■センサーの世界市場

 世界市場の規模は、2018年度見込が6兆1,772億円、22年度には7兆7,009億円へ拡大すると予測している。

 自動車業界では「計測」や「制御関連センサー」の需要が拡大、スマートフォンやウェアラブル端末では高機能化による多様なセンサー搭載が増加している。今後はIoT実装に向けて小型化や省電力化、ネットワーク機能など、さらなる性能の向上が期待されている。

 注目市場は以下の通り。

■RFID 

 「RFID」とは無線電波を用いて非接触で読み書きするシステム。代表的なものとして交通系ICのSuicaやPASMO、高速道路のETCカードがある。22年度には、17年度比2.3倍の4,090億円に拡大すると予測している。

 現在は低価格化が進行。流通や小売系のバーコードシステムの代替として急速に伸長している。検品や在庫管理、棚卸、セルフレジなど多方面において効率化を実現できるため、ユニクロやZARAなどアパレル業界を中心に採用が進んでいるという。

 今後はドラッグストアやスーパーマーケット、スポーツ用品店など多くの分野において展開が進むとされ、大幅な伸長が期待されている。

■TOFセンサー

 「TOFセンサー」は光を発して、その光が物体に反射して受信するまでの到達時間や距離を測定する空間認識システム。22年度には、17年度比4.5倍の652億円と予測している。

 現在は画素数が少なくシンプルな「Direct TOF」がスマートフォンの近接センサーやオートフォーカス用途では主流。Appleなどで採用されているため、市場は大幅な拡大を見込んでいる。今後は3D顔認証やAR、車載用途において、高解像度に適した「Phase TOF」の開発が進むとしている。

■超音波センサー

 「超音波センサー」は、超音波を利用して対象物の有無や距離を検出するシステム。フロントバンパーに装着することで障害物を検知する「クリアランスソナー」や、駐車支援など車載用途が市場を独占している。22年度予測は、17年度比85.8%増の1,020億円。

 先進国を中心に「クリアランスソナー」の標準搭載が進み、「自動駐車」実現においても重要な役割を成すことから大幅な伸長が期待されている。

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