作業中のBGMが創造性を低下させるという研究結果

2019年3月3日 16:13

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記事提供元:スラド

作業中のBGMが創造性を低下させるという、英国とスウェーデンの研究グループによる研究結果が発表された(論文ランチェスター大学のニュース記事SlashGearの記事)。

BGMは認知機能に影響を与える環境刺激として知られており、描画のように空間的能力に関連する作業の創造性を向上させるという研究もある。しかし、BGMが創造性に与える好影響を支持する実験結果は少ない。研究グループは創造性テストとして使われる複合遠隔連想課題(CRAT)を用い、実験1)被験者が理解できない歌詞の音楽、実験2)歌詞のない音楽、実験3)被験者が理解できる歌詞の音楽、を被験者に聴かせて無音の場合と成績を比較した。課題は3つの英単語(例: stick/maker/point)が提示され、それらと共通して組み合わせてることのできる語句(例: match)を答えるというものだ。

実験1で使用した音楽は1990年代に英国のヒットチャートに入っていたポップスのスペイン語版。英セントラルランカシャー大学で募集した被験者は全員英語を母国語としており、スペイン語の歌詞の意味を理解することはできない。実験では各被験者にCRATの難易度高・低およびBGM有・無のすべての組み合わせを割り当てており、音楽の内容に関する出題がないことを事前に説明している。実験2の音楽は実験1と同じ楽曲のインストゥルメンタルバージョンだ。実験1・2ともに被験者が原曲を知っている可能性もあるが、いずれも知っていたと回答した被験者はいなかったとのこと。
実験3の音楽は2013年にヒットしたミドルテンポのソウル・ネオソウルで、音楽・無音のほかに図書館内の騒音という条件が追加されている。また、普段音楽を聴きながら勉強するかどうか、実験中に聴いた音楽が好きかどうか、サウンド条件の各ブロック(無音・音楽・図書館)前後の気分の変化についても尋ねている。

結果としては、実験1~3ともにBGMがある場合の正答率が低下しており、実験3では無音と図書館の騒音で正答率に大きな違いはない。普段の勉強中に音楽を聴いているかどうかや、音楽の好み、気分の変化についても正答率に大きな影響はなかったという。この結果は広く考えられている音楽が創造性を強化するという見方に異議を唱えるものであり、意味のとらえられる内容を音楽が含むかどうかにかかわらず、CRATで測定できる言語的な創造性を低下させることを示すとのことだ。 
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※この記事はスラドから提供を受けて配信しています。

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