新明和、TOBと増配を発表 約400億円で株式の約28%を取得へ

2019年1月22日 19:35

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 新明和工業は21日、約400憶円を上限とする自社株買いの実施と、今期末配当予想の上方修正を発表した。同社は投資会社のレノ(旧村上ファンド系)が筆頭株主となっており、今回の自社株買いにはレノも応じる意向という。ただし、同社はレノとの協議の結果ではあるが直接の要請による施策ではないとしている。

 新明和は兵庫県宝塚市に本社を置く輸送機器、産業機器のメーカー。ごみ収集車など特装車に強い。また前身が航空機メーカーであったため、自衛隊向けの飛行艇や航空部品の製作も行っている。

 今回の自社株買いでは、過剰な内部留保を効率的な資本政策に用いるとしており、1株あたり1,500円で発行済み株式の28%近くとなる約2667万株を取得する予定。これにより、経営の効率性が高まることになるとしている。

 自社株買いにより株式数が減少するため一株当たりの利益(EPS)と株主資本利益率(ROE)を高め、早期のROE8%達成を目指す方針。さらに株主還元の指向として連結配当性向を40%~50%を維持し、自己株買付を含めた総還元性向を70%~80%にすることを目指すとした。これに合わせて今期末の配当予想を一株当たり19円から27円に増額すると発表。第2四半期の18円と合わせ、今期合計では前期から22円増となる45円の配当を予定している。

 また同社は今後、負債による資金調達を活用することで最適な資本政策を目指すとした。負債比率20%~30%を目安として、450億円程度を現在は無い有利子負債にて調達する見通しを発表。これら施策によって今期末のROEは9.5%程度になる見込みがあるとした。(記事:福井廉太・記事一覧を見る

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