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新たな資金調達・運用法の光と影 (下)

2019年1月22日 09:32

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 国は新たな資金調達法を育てる気があるのだろうか!? 昨年12月17日付けの朝日新聞電子版が「ソーシャルレンディング、分配金の遅れ急増 当局警戒」という見出しで、新しい投資法・資金調達法として注目され始めていたソーシャルレンディングに疑義事態の発生を伝えた。

【前回は】新たな資金調達・運用法の光と影 (上)

 ソーシャルレンディングは「(貸し付け型)クラウドファンディング」と同義語。個人・企業の資金調達に対し仲介事業会社が存在し、ネット画面を介して個人・企業の資金運用者とマッチングさせるという枠組み。貸し付け者は調達者が示した分配金を定期的に受け取り、資産運用を図る。正式には分配金率が例えば10%の場合「10%分-仲介業者の取り分(仲介手数料)」=7%分程度を受け取る仕組み。米国などでは「2025年には15兆円の市場規模になる」という試算がある。それに比べると日本の場合は17年で1316億円と歴然とした差異はあるが、14年に比べると10倍近くに増幅している。

 朝日新聞が「分配金の遅れ急増」としたのは、斯界の代表的仲介会社:maneoマーケット(以下、マネオ)を指しての配信だ。マネオは2008年にソーシャルレンディングを日本で初めて始めた企業。早々に躓いている。個人向け融資でデフォルトが相次いだ。マネオは企業向け融資に事業の的を絞り、その後は順調な推移を見せていた。だが今回またぞろ、というわけである。マネオは外部の識者による経営改善委員会を設け、事態の収拾を図る構えだという。

 ソーシャルレンディングに詳しい識者は「分配金の遅れ急増」の報に関し、こう指摘した。

 「そもそも銀行融資が受けられないから調達者はこの枠組みを利用していることを忘れるべきではない」

 「当然、この超低金利下にあって高利回りで資金を調達しようとする。自分が知る範囲では平均利回りは年8%水準。借り手側はよほどの成長性を伴う事業展開をしない限り実現は容易ではない」

 「そしてマネオにしても、調達側の財務・収益動向を熟知していない限り今回の様な事態が起こることは決して想定外ではなかったはずだ」

 「まずもって、融資者が融資先を明確に分からない点が大きな問題だ」

 言われてみると、至極ごもっとも。が、超低金利時代を創り出したのは誤解を恐れずに言えば「国策」。「当局警戒」ではなく新しい資金調達・資金運用法である以上、国が率先して目配りできるような体制が整備されて然るべきだと考える。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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