超音速旅客機の夢、遥か(2) 立ちはだかる「熱の壁」には、ゴルフでおなじみチタンだ

2019年1月14日 21:21

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ブーム・テクノロジーによる超音速旅客機のイメージ。(画像: JALの発表資料より)

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■2.「熱の壁」を超えたのはゴルフでおなじみチタン合金だ

 マッハ2.5を超えるころから、ジュラルミンでは耐えられない熱の上昇がみられる。そのためマッハ3に達するには、部分的にもジュラルミンよりも熱に強い素材が必要だった。しかし、50年ほど前、チタン合金はジェットエンジンのブレードなどに使われていたが、加工が難しくはるかにコストが高いものだった。そこで、コンコルドはマッハ2.2までの機体となった。JALが契約したブーム・テクノロジー社の開発中の機体もマッハ2.2と発表されており、コストが安いことが考えられる。巡航高度においても、オゾン層の破壊などの心配ない高度とするのだろう。

【前回は】超音速旅客機の夢、遥か(1) 立ちはだかる「音の壁」は女性の「腰のくびれ」で乗り切った

 YS-11の実験機では数々の実験が行われており、客室の部分には機関部分をモニターするために計器が設置され、記録するための社員が乗り込んでいた。私と同期の社員が乗り込んでエンジン回転をチェックする役割だったが、パイロットに知らせるのが遅くなり、エンジンが過回転を起こしてチタンブレードが墨のようになってしまった。「お前の一生涯の給与でも払えないぞ!」と脅されて、しょげ返っていた彼の姿が忘れられない。実際には弁済は免除されたが、チタン合金が大変高価であったとの印象が強く残った。それでゴルフクラブに使われたとき、あまりの安さに大きな驚きと共に買ってしまった。

 冷戦時代の1976年9月6日、函館空港に強行着陸して亡命してきた旧ソビエト連邦のミグ25があった。マッハ3をうたった高性能機として恐れられていたが、翼の先端は鉄が使われており、錆びがみられたとのことだった。これは当時、チタン合金の加工技術がないため、燃料搭載量を減らし、重い鉄を使ってでもアメリカのマッハ3の戦闘機や爆撃機を迎撃するつもりだったのだろう。実際には航続距離が短く、大した戦力にならなかったようだ。

 一方、アメリカはマッハ3の偵察機や戦闘機、爆撃機を開発していたが、軍用機での開発が取りやめると共に、なぜか旅客機まで開発を中止してしまった。その原因は、オゾン層の破壊ではなく、本当は「燃費」にあったのだろうと考える。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

続きは: 超音速旅客機の夢、遥か(3) 立ちはだかる「燃費の壁」には「ファン」の風に乗って解決

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