こう着ながらも底堅さが意識されるところ【クロージング】

2019年1月10日 16:05

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記事提供元:フィスコ


*16:05JST こう着ながらも底堅さが意識されるところ【クロージング】
10日の日経平均は反落。263.26円安の20163.80円(出来高概算13億株)で取引を終えた。FOMC議事録で大半の当局者が今後の追加利上げに対して慎重な姿勢を示したことで円高に振れやすくなる中、直近の上昇に対する反動安となった。また、トランプ大統領は「国境の壁」を巡る議会指導部との協議を途中退席した。ダボス会議(世界経済フォーラム年次総会)が始まる今月22日までに連邦政府機関の一部閉鎖が解除されない場合、トランプ大統領の会議出席を取りやめることを検討していると伝えられている。中国副主席がダボス会議に出席する事でトランプ大統領との会談の可能性から米中貿易摩擦巡る意見交換などへの期待もあるが故に、神経質にさせる一因となっている。

日経平均は寄り付き直後つけた20345.92円を高値にこう着感の強い相場展開となり、20100円台での推移が続いた。東証1部の騰落銘柄は値下がり数が1400を超えており、全体の6割を超えている。セクターではリバランスの流れとなり、石油石炭、化学、精密機器、その他製品、小売、電気機器が冴えない半面、陸運、電力ガスが小じっかりなど、内需志向に向かわせた。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、ソフトバンクG<9984>、ユニファミマ<8028>が重石となった。

日経平均は利食い優勢というよりは、ショート筋のカバーが一巡した格好であろう。とはいえ、2万円を上回っての推移が続いており、5日線が支持線として意識される局面においては、こう着ながらも底堅さが意識されるところである。また、米アップルの下方修正をきっかけに、中国関連への動向を見極めたいとするムードの中、一先ず安川電機<6506>の決算、これを受けた株価反応を見極めたいといったところのようである。安川電機の信用需給では、信用倍率が昨年9月の10倍台から昨年末には3倍台にまで取り組みが改善している。買い残高も半減しており、買い方の需給整理は進捗している。ただし、売り残高は若干積み上がっている状況であり、悪材料出尽くしとなったとしても、需給面ではアク抜けから大きく切り返す展開は期待しづらいところではある。

中小型株についても今日のところは利食い優勢となったが、マザーズ指数は25日線の抵抗に接近していたこともあり、いったんは利食いが出やすい水準であろう。ただし、下落率は1.19%と日経平均(-1.29%)よりは下げておらず、5日線が支持線として意識されている。決算等を手掛かりとした個別物色のほか、元号改正を手掛かりとしたテーマ物色も一部で見られており、物色意欲の強さが窺える。日経平均が2万円処での底堅さが意識される局面においては、こう着ながらも個人主体の中小型株物色は活発だろう。《CN》

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