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ロシア、核搭載できる原子力推進水中ドローンの海中実験を開始

2019年1月3日 09:36

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記事提供元:スラド

あるAnonymous Coward曰く、 以前から、ロシアは魚雷を水中ドローンに置き換える核戦略を推進していることを表明していたが、ロシア国営イタル・タス通信の12月25日の記事によると、ロシア政府筋は、原子力潜水艦を母艦とする原子力推進水中ドローンをテストする実験計画が始まったと明かした。ロシアの新しい国家軍備計画(2018-2027)にも含まれているという(TASSNewsweekThe Diplomat)。

 プーチン大統領は3月1日にロシア連邦議会で行った施政方針演説で初めて水中ドローンの計画に言及し、「潜水艦の数倍のスピードで進み、最新鋭の魚雷やあらゆる水上船舶よりも高速で、静粛で高度な機動性を持ち、敵が付け入ることのできる弱点がほぼ存在せず、率直に言ってこれらを防げるものはこの世に存在しない」と述べていた(ニューズウィーク日本版)。NATO側では戦略核魚雷「Status-6カニヨン」として計画が周知されていたが、ロシアは国防省のウェブ投票で名称を公募し、3月23日に改めて「ポセイドン」と名付けられた。

 そもそも2015年に「手違いで」ロシアの国営テレビがこの兵器の詳細を間接的に放映しており、BBCではその内容と経緯が解説されている。当時はツァーリボンバーの2倍近い100メガトンの弾頭が搭載可能で、それによって「放射性物質を大量に含んだ津波」を起こし沿岸都市を破壊する兵器とされていた(2015年のBBC記事)。現在の報道では、弾頭は2メガトンとされているが、それでもヒロシマ型(15キロトン)の100倍以上の規模である。

 東西冷戦期の基本的な核戦略は相互確証破壊であり、アメリカとソ連は対空ミサイルの配備を抑える条約(ABM条約)を結んでいた。しかし、アメリカはこの条約を2000年代に脱退し、イージスやサードなどの迎撃システムを基軸に据えるミサイル防衛(MD)が業界標準となった。これを快く思わないロシアは旧体制の復活を強く望んでおり、「対空迎撃できない戦略核」はその象徴とも言える。プーチン大統領曰く、

 ロシアはなぜこうした兵器を開発するのか? そしてなぜ公にするのか? ご覧の通り、ロシアは兵器開発計画を全く隠すことはなく、オープンに語っている。これは第一に、パートナーに対して対話の機会を持つよう促すためだ。もう一度繰り替え(ママ)そう。ロシアは2004年から明らかにしている。経済や金融、そして防衛産業がさまざまな問題を抱えているにもかかわらず、ロシアが核大国の座を維持しているのは実に驚くべきことだ

 と語っており、ロシアの積極的な核開発と宣伝は自他ともに認める既定路線である。一方で、アメリカのマティス国防長官は、「彼(プーチン大統領)の言う種々の新兵器の実現は何年も先の話だし、(実現しても)軍事バランスを変えるわけでもない。我々の側が抑止力政策を変更する必要がないのだ。彼らが戦略バランスを全く変えないものにどれだけの金をつぎ込みたいのかという点を除けば、全く何も変わらない。」と述べている(2018年3月のGuadian記事)。

 ドローンが世に出て以降、空撮の分野では実社会に大きな影響を与えており、今後は輸送分野においても活躍が期待されている。水中ドローンも水中撮影の用途では普及しつつあるが、ロシアの狙い通り、ポセイドンは潜水艦装備のエポックメイカーとなるのだろうか。それとも、アメリカの言うようにネタ兵器に過ぎないのだろうか。

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※この記事はスラドから提供を受けて配信しています。

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