エレベーターの安全を守る広告画面付き「0円防犯カメラ」提供開始

2018年12月18日 15:48

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設置イメージ。(画像:エス・イー・シーエレベーター発表資料より)

設置イメージ。(画像:エス・イー・シーエレベーター発表資料より)[写真拡大]

 「0円」で導入できるエレベーター用の防犯カメラが、17日から提供開始された。エス・イー・シーエレベーター(SEC)によるもので、厳密にいえばただの防犯カメラではなく、防犯カメラ機能を持った「東京エレビ」という多機能ディスプレイである。ここにスポンサーからの広告を表示することで、0円での導入・運用が可能であるという仕組みだ。

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 防犯カメラによる防犯は今日の市民社会を守るために不可欠のものとなっている。犯罪捜査にもよく一般の防犯カメラ映像が提供されており、近年では防犯カメラの導入に及び腰であった鉄道会社も車両への導入に踏み切るところが出始めているほどだ。

 もちろん、エレベーターも密室で、犯罪やセクシャル・ハラスメントなどの温床になりやすいという問題があるため、防犯カメラ導入のニーズはある。ただ、エレベーター向けの防犯カメラは設置コストが一般的な防犯カメラの5倍ほど、約30万円から50万円と高額で、なかなか普及は進んでいないというのが現実であった。

 そこでSECは、防犯カメラ付きの多機能ディスプレイ「東京エレビ」を、エレベーター専用メディアを運営するベンチャー企業、東京と共同で開発した。この東京エレビは、あらゆるエレベーターに30分から45分程度で設置することができる。また、契約スポンサーが端末費用・設置費用を負担する仕組みとなっているため、導入コストもランニングコストも0円である。

 案内をモニタに掲出する機能もあらかじめインストールされており、物件管理情報、テナントによる広報、緊急時の避難経路表示など、多種多様な情報を表示することができる。

 なお、既に試験運用では100カ所以上の導入実績があり、その上で今回の正式リリースの運びとなったという。

 現在のところ、導入地域は東京23区内(順次拡大予定)。SECとのメンテナンス契約が必要なほか、現状では6階以上のオフィスビルか、宿泊施設に限定しての配布となっている。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

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