万引き防止AI「VAAKEYE」、万引きの瞬間自動検知し撮影 犯人逮捕へ

2018年12月13日 11:36

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VAAKEYEによる解析のイメージ。(画像: VAAKの発表資料より)

VAAKEYEによる解析のイメージ。(画像: VAAKの発表資料より)[写真拡大]

 VAAK(東京都港区)は、万引き防止システム「VAAKEYE(バークアイ)」で自動検知した万引き犯の情報を警察に提供することで、犯人逮捕に至ったと発表した。同社は、カメラ解析人工知能(AI)のスタートアップだ。本件では、大手小売店で実証実験中のVAAKEYEが防犯カメラの映像を解析し、万引きの瞬間を自動検知した映像の撮影に成功。その映像情報を証拠として警察に提供したという。

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 VAAKはカメラで撮影した映像を解析し、人間の詳細行動を検知することを得意としている企業だ。歩幅や関節の動きといった人間の動作を100以上のポイントに分類・分析し、不審行動や危険行動をリアルタイムで検知することを可能にした。

 今回の犯人逮捕に貢献したVAAKEYEは、万引き犯の複雑な行動を認識し解析できるため、いつ、どこで、どのような身体的特徴を持った人物が、どのようにして万引きに及んだかを、全て自動検知することができる。明らかな不審行動の検知のみにとどまっていた、従来型の万引き防止システムとは一線を画す性能と言えるだろう。VAAKEYEを導入していれば、万引き犯の犯行の瞬間を映像情報として取得できるため、犯人逮捕に直結する有用な情報を警察に提供することが可能だ。

 同社は2017年11月の設立。これまで行ったVAAKEYEの実証実験では、導入前と比較して万引きに起因する商品ロスを75%以上削減した例や、10日間の映像情報から7件の万引き犯を自動検知し警察への情報提供を行った例など、具体的な実績を複数件積上げている点にも注目したい。また、「VAAKPAY」というカメラの設置のみで稼働する無人レジシステムの開発も進めており、VAAKEYEと同様の技術が活用されている。

 同社は、万引き防止システムVAAKEYEの開発を通じて、犯罪行為の予測や早期対応に貢献し、迅速な警察との連携を行うことで、より安全で快適な未来を目指す構えだ。

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