就業前後の身体活動が昼間の眠気を防止 花王が調査

2018年11月15日 09:10

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記事提供元:エコノミックニュース

 人間に限らず生物には日内リズムというものがあることが知られている。人間は昼間に活動し夜に睡眠をとるというのが日内リズムの基本パターンである。この日内リズムのメカニズムは太陽光という刺激と連動して脳内のインドールアミンの代謝が変化し、交感神経と副交感神経のバランスを変化させ身体的代謝の状態が周期性を持つためだと言われている。

 現代の生活環境では夜間も電気による照明があるため日内リズムは崩れやすく様々な不調を生み出すこともあると言われてきた。海外に行った時の時差ボケなど日内リズムのズレによって様々な不調を体験した者も多いであろう。

 この日内リズムと人々の生活リズムの関連について花王のパーソナルヘルスケア研究所が調査研究を行い、10月下旬に開かれた日本公衆衛生学会総会で研究成果を発表している。研究所は20~60代の就労者の生活リズムを身体活動の量として捉え、これを身体活動量計で計測することで生活リズムと睡眠との相関を分析した。

 平日の昼間に眠気を感じる度合いと生活リズムパターンとの相関を分析した結果では、平日の生活リズムで就業前後(6~9時および18~21時)に身体活動量が多い生活パターンの者は平日の昼間に眠気を感じている者が少ない傾向にあり、また休日の生活リズムで、朝(6~9時)に身体活動量が高いパターンの者も昼間に眠気を感じる者が少ないと言う結果になった。さらに、身体活動量が高い生活リズムの者でも平日と休日でズレがみられる場合は、平日の昼間に眠気を感じている者がより多い傾向がみられた。

 この調査結果は男・女、年齢、身体的特徴、職業等の属性の異なる多数のサンプルからの相関であり、また生理学的データもないため一概には言えないというものの、生活リズムの変化が自律神経系あるいは交感/副交感神経バランスに少なからず影響を与え、眠気や倦怠感などの様々な生理的不調と関係するという、これまでの常識と整合する。

 身体活動量は筋肉の運動量と相関するが、筋肉運動はインドールアミン作動性神経の働きを高めることが知られている。規則的な生活リズムはそれ自体、生理的な日内リズムを最適なものにする。時間帯は就労前後でなければならないかは別として、就労前後にジョギングや散歩などの運動をすることが就労中の生理的状態をより最適なものにするということは間違いないであろう。(編集担当:久保田雄城)

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