【編集長の視点】Jトラストは2Q累計決算発表を先取りも全般急反落相場に押されて反落

2018年11月14日 09:30

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 Jトラスト<8508>(東2)は、前日13日に3円安の597円と反落して引けた。ただ取引時間中には602円まで買われ小高く推移し、その13日に予定している今2019年3月期第2四半期(2018年4月~9月期、2Q)累計決算の発表を先取りする場面もあったが、日経平均株価が、459円安と急反落し一時心理的フシ目の2万1500円台を下回ったことが響き目先の利益を確定する売り物に押された。実際に同日大引け後に開示されたその2Q累計業績は、税引前利益が前年同期比71%減となったが、今後この要因となった東南アジア金融事業の収益性の回復を図る方針で、今3月期通期業績は、期初予想通りにV字回復を見込んでいるだけに、下値に割り負け訂正買いが再燃することも想定される。

■2Q累計税引前利益は大幅減益も日本金融事業、韓国及びモンゴル金融事業は堅調に推移

 同社が、前日13日大引け後に発表した今期2Q累計業績は、営業収益365億7500万円(前期比5.6%増)、営業利益2500万円(同99.4%減)、税引前利益11億6000万円(同71.3%減)、純利益21億8200万円の赤字(前年同期は22億6600万円の黒字)で着地した。日本金融事業のセグメント利益は、買取債権の将来キャッシュ・フローの見直しに伴い貸倒引当金の繰入れを行い21億5100万円(同13.6%減)と3月通期予想に対する進捗率が47%と堅調に推移し、韓国及びモンゴル金融事業のセグメント利益も、IFRS(国際財務報告基準)第9号の適用に伴い貸倒引当金の繰入れが増加し、24億円(同2.0%減)となり3月通期予想を半期で達成(進捗率100%)するなど好調だったものの、東南アジア金融事業のセグメント利益が、銀行業の貸出金が減少して利息収入が減少し、IFRS第9号適用に伴い貸倒引当金の繰り入れが増加したことで24億1800万円の赤字(前年同期は2億5600万円の赤字)となったことなどが要因となった。

 この東南アジア金融事業は今後、債権管理部門と回収部門を融合して効率化を図り、不良債権の抑制と回収強化にあたることで貸倒引当金戻入益の計上などによる業績の回復を計画している。このため今3月期通期業績は、期初予想に変更はなく営業収益833億7800万円(前期比9.3%増)、営業利益70億7300万円(同3.0倍)、純利益53億1800万円(前期は7億3100万円の赤字)とV字回復を見込んでいる。

 また今年9月26日付けでインドネシア当局から株式取得を承認されたオートローンの老舗であるPT OLYMPINDO MULTI FINANCE(JTO、Jトラストコンピンド社)の業績は、2Q業績に反映されていないが、10月4日にクロージングに係る諸手続きが終了し株式を取得したことから営業貸付残高が、今年10月の月次データに初めて計上されており、これも業績押し上げ材料となる。

■上値抵抗線の25日線を上抜き低PER・PBR修正に弾みをつけまず700円台奪還

 株価は、今年9月のJTO株式取得承認で706円高値に反発するなど好材料が出るたびにプラス反応したが、再三繰り返された世界同時株安に巻き込まれて年初来安値558円まで深押し、売られ過ぎとして底上げ、これまで上値抵抗線となっていた25日移動平均線を上抜いた。それでもPERは11倍台、PBRは0.42倍となお割り負けており、まず年初来高値1006円から同安値までの調整幅の3分の1戻し水準の700円台奪回を目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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