アルコニックス調整一巡して反発期待、19年3月経常微減益予想だが上振れ余地

2018年10月18日 09:04

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 アルコニックス<3036>(東1)は商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指している。19年3月期の経常利益は微減益予想だが、上振れ余地がありそうだ。株価は地合い悪化の影響で年初来安値圏だが、調整一巡して反発を期待したい。なお11月6日に第2四半期決算発表を予定している。

■商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」目指す

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社グループである。

 商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)~川中(流通)~川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

■製造が利益の過半を占め、さらに上昇傾向

 18年3月期セグメント別売上高構成比は、商社流通84%(電子機能材30%、アルミ銅54%)で製造16%(装置材料8%、金属加工8%)だった、経常利益構成比は商社流通36%(電子機能材23%、アルミ銅13%)で製造64%(装置材料11%、金属加工54%)だった。

 レアメタル・レアアースなど非鉄金属の市況、持分法投資損益、M&Aに伴うのれん償却や負ののれん益なども収益変動要因となるが、積極的なM&Aで製造が連結経常利益の過半を占め、さらに上昇傾向を強めている。

 中期経営計画(19年3月期~21年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、経営目標値を21年3月期の経常利益95億円超、純利益72億円超、ROE13~15%程度、NET/DER1.0~1.3倍程度としている。

 3年間の投融資総額はM&A・事業投資を中心に250億円の計画としている。商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指して積極投資を推進する方針だ。18年8月には、中間持株会社を設立してカーボンブラシ製造販売の富士カーボン製造所を子会社化(株式取得19年2月上旬予定)すると発表した。

■19年3月期経常微減益予想だが上振れ余地

 19年3月期の連結業績予想は、売上高が18年3月期比8.9%増の2700億円、営業利益が4.4%減の70億円、経常利益が3.0%減の77億円、純利益が3.1%増の55億円としている。配当予想は6円増配(17年9月1日付株式2分割換算後)の年間38円(第2四半期末19円、期末19円)としている。予想配当性向は17.9%となる。

 セグメント経常利益の計画は、商社流通が11.8%減の25億20百万円(電子機能材が12.7%減の15億90百万円、アルミ銅が10.0%減の9億30百万円)、製造が2.0%増の51億80百万円(装置材料が43.6%増の12億円、金属加工が6.2%減の39億80百万円)としている。大幅増益計画の装置材料は、米Univerticalの増益が寄与する見込みだ。金属加工は持分法投資利益の減少を見込んでいる。

 第1四半期は、売上高が前年同期比13.8%増の666億71百万円、営業利益が18.9%増の20億18百万円、経常利益が6.3%増の20億71百万円、純利益が13.9%増の16億35百万円だった。自動車、半導体関連の需要が好調に推移した。

 セグメントの経常利益は、商社流通が2.0%増の7億03百万円(電子機能材が6.5%増の3億02百万円、アルミ銅が1.2%減の4億01百万円)で、製造が9.3%増の13億71百万円(装置材料が2.2倍の3億32百万円、金属加工が5.6%減の10億38百万円)だった。

 通期ベースでは、スマホ関連の減速懸念、米国の通商政策の影響、為替動向など不透明感が強いとして、商社流通において非鉄市況の反動や利益率低下を見込み、全体の営業利益と経常利益を微減益予想としている。ただし第1四半期の進捗率は売上高24.7%、営業利益28.8%、経常利益26.9%、純利益29.7%と順調である。通期の経常利益は微減益予想だが、上振れ余地がありそうだ。

■株主優待制度は3月末の株主対象、19年3月末から導入

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて贈呈する。19年3月末から導入する。

■株価は調整一巡して反発期待

 株価は地合い悪化の影響で10月11日に年初来安値1386円まで下押したが、その後は下げ渋る動きだ。10月17日の終値は1462円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS212円60銭で算出)は約7倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間38円で算出)は約2.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1423円87銭で算出)は約1.0倍、時価総額は約378億円である。調整一巡して反発を期待したい。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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