色はいかにして「発生」したか?大阪市立大、最もシンプルな色検出システムを解明

2018年10月18日 19:16

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パラピノプシン1種類により色検出が行われていることを示すカルシウムイメージングの結果。(画像:大阪市立大学発表資料より)

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 色検出はもっとも重要な光感覚の一つである。色を識別する能力は、どのように進化史上において獲得されたのだろうか。この謎に迫る一つの手がかりとして、大阪市立大学大学院理学研究科の寺北明久教授、小柳光正准教授、和田清二特任助教らの研究グループが、魚類の持つ「1種類の光受容タンパク質だけを利用した」知られる限り最も単純な仕組みの色検出システムを発見した。

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 これまでの常識では、色覚などの色検出システムには、捉える光の色が異なる複数の光受容タンパク質が必須であると考えられていたため、これはそれを覆す画期的な発見であるという。

 ちなみにヒトの色覚においては、赤・緑・青の3種類の色を受け取る光受容タンパク質がそれぞれ異なる光受容細胞に存在している。そしてその光情報がより高次の細胞によって処理されることで、色の識別は行われている。

 ところで魚類などの下等な脊椎動物では、目だけでなく、脳の表面の松果体においても色検出が行われている。具体的には、紫外光(いわゆるUV)と可視光の比率の検出を行っている。この松果体の色検出がどういった機構であるかについては、これまであまり明らかになっていなかった。

 今回の研究では、ゼブラフィッシュと呼ばれる遺伝子操作が可能な小型魚類が解析に用いられた。松果体に存在する光受容タンパク質(パラピノプシンという)は、UV光を受容すると可視光を受容できる状態(光産物)に変化し、そしてこの光産物は可視光を受容すると元の状態に戻る。このような光相互変換が起こるのである。

 さて、この性質が松果体での色検出にどう関わっているかであるが、カルシウムイメージング法を用いて光応答を解析したところ、UV光でカルシウムの減少を、そして可視光でカルシウムの増加という応答を行っていた。そしてこのパラピノプシンの遺伝子を破壊したところ、光に対する応答はなくなった。つまり、ゼブラフィッシュは松果体において、パラピノプシン一種類を用いて色検出を行っていることが確認されたのである。

 研究の詳細は、「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」に掲載されるという。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

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