コメダの出店攻勢が続く 18年3~8月期は増収増益

2018年10月11日 17:59

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 東証1部上場のコメダホールディングスは10日、2019年2月期第2四半期(18年3~8月期)の決算を発表した。積極的な新規の出店と既存店の収益力強化、そして新業態開発やブランド強化が功を奏して増収増益を達成。売上収益は前年同期比14.3%増の148億5,000万円、営業利益は同5.5%増の36億9,500万円、純利益は同6.0%増の24億9,900万円であった。なお通期の予想に関しても変更なく増収増益を維持している。

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 同社はこの四半期において東日本、西日本に合わせて25店舗の新規出店を行った。その中には沖縄県への初出店や、北九州市の勝山公園にて公募設置管理制度(Park-PFI)による初出店もあった。また別業態である「コメダ謹製やわらかシロコッペ」も8店舗の出店を行った。

 既存店の収益力強化として、新商品や季節限定商品、そして同社名物「シロノワール」を使った限定商品を導入した。さらにアニメ「進撃の巨人」とのコラボキャンペーンを実施。また、新業態としてセルフカフェ形式の「コメダスタンド」の出店や食品メーカーとのコラボ製品の発売を行った。同社ではこれらが増収増益に結び付いたとしている。

 同社の主力業態である「コメダ珈琲店」は近年のカフェで主流となっている「セルフ方式」ではなくフルサービスで店舗運営をしている。店舗立地はロードサイドに広い駐車場を有した店舗が多く、新しい客層を掘り起こすことに成功した。またフードメニューが多く、昼のコーヒーやモーニングだけでなく、昼食や夕食と言ったマーケットにも食い込むことができている。

 さらに店舗の多くがフランチャイズ方式をとっており、新規出店を加速できる要因となっている。これは同社がコーヒーやパンを工場で一括生産する仕組みができあがっていたことが伏線になっている(ちなみに同社の業種は卸売業となっており、フランチャイズ店への卸売によって利益を上げているとされている)。同社は今後も空白地域への出店を積極的に行う方針である。

 なお通期予想に関しての修正は見られなかった。売上収益は前期比16.6%増の303億100万円、営業収益は同5.0%増の75億6,500万円、純利益は同4.1%増の51億300万円であった。

※公募設置管理制度(Park-PIF)
2017年に改正された都市公園法に基づく制度。これによって公園内にカフェやレストランなどを設置する要件が緩和された。(記事:福井廉太・記事一覧を見る

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