すでに続編望む声も!「義母と娘のブルース」が現代人の心に届いた理由

2018年9月20日 21:26

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「奇跡」を求めて歩く2人の姿は我々の心をわしづかみにした(c)TBS

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■「ぎぼむす」が最終回にて自己最高視聴率をマーク

 2018年の夏ドラマ「義母と娘のブルース」が9月18日にて最終回を迎え、視聴率は19.2%と自己最高を更新して幕を閉じた。同じ火曜10時枠で放送された「逃げるは恥だが役に立つ」に匹敵する話題を呼び、綾瀬はるか主演のドラマの中でも代表格といっていい作品になった。

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 キャリアウーマンが突然小学校の子供がいる家庭の義母になることを宣言するところから物語がスタートし、それから10年間の軌跡を描いている本作。その中で義母と娘が家族になる過程を描いているのだが、日常に散りばめられた小さい奇跡を手繰り寄せるシーンが数多くあったのが特徴だろう。そんな「何気ない日常」を丁寧に描いたところに「ぎぼむす」がヒットした理由がありそうだ。

■愛を育み合った2人の10年が奇跡を生み出す

 良一(竹野内豊)は早くに妻を亡くしており、さらに自分の身体も病が蝕んでいた。このままでは一人娘のみゆき(小学生時代:横溝菜帆、高校生時代:上白石萌歌)に辛い思いをさせてしまうと思い、娘を安心して任せられそうなキャリアウーマンの亜希子(綾瀬はるか)との契約結婚を考えるのだった。

 はじめはお互いの利益を求めた結婚だったが、次第に心が惹かれ合っていく。最後にはお互いにかけがえのない存在となり、亜希子はみゆきのために仕事まで辞めて育児に専念することを決める。その中で2人にとって最愛の人といえる良一の死を経験しながらも、みゆきは無事に高校3年生まで成長する。

 高校3年生になって進路に悩むみゆきを見た亜希子は、自分が働く姿を見せて娘の手本になろうと考える。そこで、潰れかけのパン屋に就職し、店長の麦田(佐藤健)も驚くプランを打ち立てて見事に復活させてしまう。実は、亜希子は麦田と幾度もすれ違っていことが後に判明し、そこには良一が大きく関わっていた。

■現代人が求める「愛」に溢れた作品

 最終回では数々の「奇跡」に導かれた亜希子と麦田がくっつかと思われたが、亜希子は最後まで良一とみゆきを愛することを貫く姿を見せた。そして、試験当日の亜希子の姿は母親そのもので、みゆきよりも緊張している姿を見せていた。

 すっかり母親業が板に付いていた亜希子だったが、彼女のコンサルタント力を見込んだ会社からヘッドハンティングの話がやってくる。亜希子はみゆきのために人生を捧げると決めていたが、みゆき自身は自分のせいで亜希子の人生を奪ってしまったような負い目を感じていたこともあり、彼女のために最大の「嘘」を付こうとする。しかし、この行動こそが最大の親子喧嘩へ発展する火種となる。

 ラストでは亜希子とみゆきの両方が本音で語り、亜希子に至っては母親になったのは自分の欲を満たすための「偽善」でしかないと告げる。しかし、その行動こそが「愛でしかない」とみゆきに諭されてしまい、結局はどちらもがお互いを思うことで発生したすれ違いであったことを再確認する。

 現代では何かとマニュアル化が進み、子育てについてもマニュアル本などの書籍がこれでもかと書店の棚を埋め尽くしている。しかし、この2人にはマニュアルがない。そもそも義母と娘が仲良くなるためのマニュアル本など探すほうが難しいだろう。そんな2人が手探りで家族になろうとしたからこそ、その結束は強い上に多くの人の心を動かしたのだと思う。

 ものは多くてもなぜか孤独を感じることが多くなった現代人。そんな我々に人と触れ合うことの難しさと喜びの両方をこれでもかと丁寧に描いた「義母と娘のブルース」だからこそ、ヒットしたのだと私は思う。(記事:藤田竜一・記事一覧を見る

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