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米食品医薬品局、コーヒーに発がん性の警告表示で誤った情報を消費者に

2018年9月7日 20:42

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記事提供元:スラド

headless曰く、  米国・カリフォルニア州で販売されるコーヒーに発がん性を警告する表示が必要となる州上位裁判所判決が5月に出たことに対し、米食品医薬品局(FDA)が消費者に誤った情報を与えることになるとして懸念を示している(プレスリリースLos Angeles Times89.3 KPCC)。

 判決は焙煎したコーヒー豆にアクリルアミドが含まれていることによるものだ。アクリルアミドはカリフォルニア州の「安全飲料水および有害物質施行法(プロポジション65)」による発がん性または生殖毒性のある化学物質のリストに発がん性のある化学物質として掲載されている。

 しかし、動物にアクリルアミドを大量投与した場合には発がん性が確認されているものの、現在の研究ではコーヒーの飲用による顕著な発がんリスクはないことを示しており、世界保健機関(WHO)の国際がん研究機関(IARC)による報告書にも反映されている。報告書ではコーヒーの飲用により肝がんや子宮内膜がんの発症リスクが低下することも指摘している。

 そのため、州法でコーヒー製品に発がん性の警告表示を強制することは、消費者に誤った情報を伝えることを禁じた連邦法に違反することになる。既にカリフォルニア州環境保健有害性評価局(OEHHA)ではコーヒーを発がん性の警告表示から除外することを提案し、意見募集や公聴会も実施している。FDAではOEHHAに対し、提案を強く支持する書状を送ったとのこと。

 FDAがプロポジション65によるアクリルアミドを含む食品への警告表示に懸念を示すのは今回が初めてではない。アクリルアミドは幅広い食品に含まれることから完全に排除するのは現実的ではなく、健康面での利点がないにもかかわらず警告を表示して食生活を変えさせることは消費者に誤った情報を与えるものだという。たとえば全粒穀物食品の中にはアクリルアミドを含むものもあるが、全粒穀物には健康増進効果や栄養面での利点があることも知られている。アクリルアミド含有を理由に発がん性の警告を表示することは、発がんリスクを低下させる食品を含めて健康に利点のある食品を消費者が忌避してしまう結果を招く可能性もあるとのことだ。

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※この記事はスラドから提供を受けて配信しています。

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