阪急交通社サイトで最も検索された美術館は?人気のポイントは写真映えか

2018年9月1日 19:32

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大塚国際美術館(画像: 阪急交通社)

大塚国際美術館(画像: 阪急交通社)[写真拡大]

 9月を迎え、残暑はまだ続きそうだが、そろそろ秋の足音が聞こえてくる頃だ。食欲、スポーツ、読書などさまざまな秋があるが、今年は芸術の秋を満喫するのはどうだろう。阪急交通社が、自社のサイト内で2017年8月~2018年7月の1年間で検索された美術館名の検索数ランキングを調べ、全国の美術館の中からベスト10を紹介している。

 第1位 大塚国際美術館(徳島県鳴門市)

 ポカリスエットの大塚グループが創立75周年事業として1998年に設立した美術館。「モナ・リザ」「最後の晩餐」「ヴィーナス誕生」などの名画が1000点以上展示されているが、それらはすべて陶板(陶器の板に原画を忠実に再現したもの)というユニークな美術館。世界各国にある有名名画を原寸大で一度に見ることができると人気を博している。地下3階から地上2階まであり、鑑賞ルートはなんと全長4km。館内は撮影可能なので、気に入った名画を背景にした記念写真を撮影する人が多い。入館料は3240円と若干高めだが、訪れた人は古代から現代までの作品を鑑賞でき、美術史も学べると大満足だ。

 第2位 足立美術館(島根県安来市)

 横山大観をはじめとする近代日本画と見事な日本庭園で知られる美術館。創設者である足立全康(ぜんこう)が集めた横山大観の画は120点もあり、北大路魯山人の陶芸や現代日本画、童画、漆芸、木彫なども展示されている。訪れた人は絵画はもちろんだが、5万坪に及ぶ6つの庭園を称賛する人は多く、アメリカの日本庭園専門誌でも「15年連続日本一」を獲得。国内観光客はもちろん、海外の観光客からも高い人気を集めている。

 第3位 大原美術館(岡山県倉敷市)

 近現代美術中心のコレクションを集める本館、分館、工芸館など複数の建物で構成されている私立美術館。外観はギリシャ神殿風で見る人を圧倒。一歩中に入れば、西洋画から日本画、彫刻など、展示品が多種多様で見る人を飽きさせない。ゴーギャンやセザンヌ、モネなど貴重な名画を多数所蔵。その中でもひと際人気を集めるのはエル・グレコの「受胎告知」だ。

 第4位 岡田美術館(神奈川県足柄下郡)

 箱根・小涌谷に位置する美術館。日本・中国・韓国など東アジアを中心とする古代から現代までの美術品が450点展示されている。5階建ての広い館内には、喜多川歌麿の肉筆浮世絵の大作「深川の雪」や重要文化財に指定されている渡辺崋山の「虫魚帖(ちゅうぎょじょう)」といった日本画のほか、中国古代の青銅器や幻の青磁・汝窯の鉢など幅広い時代・分野の美術品が展示されている。箱根ならではの演出としては、100%源泉かけ流しの足湯に浸かりながら風神・雷神の大壁画「風・刻(かぜ・とき)」を鑑賞できる。

 第5位 箱根ガラスの森美術館(神奈川県足柄下郡)

 自然と芸術の融合を目指して作られた国内最初の野外技術館。特筆すべき点は屋外展示の数だ。約7万平方メートル(野球場のグランド部分7つ)の広大な敷地に多種多様なアート作品が配置されている。ガラスの体験工房では、砂を吹き当ててグラスに絵を入れるサンドブラストなどを体験可能。ヴェネチアングラスやスワロフスキー社製クリスタルガラスなどを購入することができるミュージアムショップもある。歩き、体験しながら見て回る美術館のためファミリーから大人の1人旅まで、幅広い年齢層で楽しめる。

 以下は、第6位 金沢21世紀美術館(石川県金沢市)、第7位 三鷹の森ジブリ美術館(東京都三鷹市)、第8位 佐川美術館(滋賀県守山市)、第9位 松本市美術館(長野県松本市)、第10位 徳川美術館(愛知県名古屋市)となる。


 通常、美術館では写真撮影はNGなケースが多いが、今回ランクインした美術館の多くは撮影可能が多い。美術館の人気を左右するのは、作者や作品という観点以外に、フォトジェニック(写真映え)かどうか、新しい体験ができるかどうかといった点も人気のポイントのようだ。(記事:久保圭大郎・記事一覧を見る

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