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火星の地下に眠る「液体」 生命を育むことができる
火星。[写真拡大]
2003年以来15年ぶりとなる大接近で注目されている火星だが、7月25日学術誌「サイエンス」で興味深い論文が発表された。
【こちらも】約15年ぶりに火星が地球に大接近 赤く輝く火星の写真を公開 国立天文台
火星の地下には湖があり、しかも湖は複数箇所に点在している可能性があるというのだ。これまで、土星や木星においてはまとまった液体を確認することができたが、そのようなものを火星で発見することは困難だった。
論文の共著者であるイタリア、ローマ第三大学エレナ・ペティネッリ氏は「似たような箇所が他にもあります。ここだけと断定する理由はありません」と話した。
火星はもともと地球と同じように、表面は海となって水に覆われていたのではないかと考えられている。
だが、今の火星は完全に干上がってしまい、とても人が住めるような場所ではない。地球と同じように無防備な姿で生活することは難しく、移住しても外出時にはマスクや防護服が必要になる環境だ。
火星では過去数回、液体を確認しているが、どれも一時的なものでまとまった量を確認することはできなかった。
そこで29回も火星の地表へレーダーを送り、跳ね返ってくる周波数で奥深くに水の形跡がないかを探した。すると、今回まとまった液体の存在を確認することができたという。
火星の地下深くに眠る液体の存在は、水かゆるい泥の可能性が高いといわれている。たとえそのどちらかであったとしても、火星は地下深くであれば水を得ることができ、土の中から栄養素を蓄えることができる星ということになる。
そうなると生命を育んでいる可能性もあり、生命探査を視野に入れて火星の謎解明へ一歩近づけるのだ。
なぜ多くの人が「地球外移住=火星」を思い浮かべるかというと、火星は今までもこれからも「地球に似た環境である可能性が高い」からである。他の惑星より最も地球に近く、火星で生活を営むことができれば人がより進化していける可能性にもつながる。(記事:中川リナ・記事一覧を見る)
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