耕作放棄地が湿地や草地で暮らす鳥のすみかとなっている、北大などの研究

2018年7月29日 21:55

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湿性耕作放棄地。ヨシやクサヨシが優占している。かつて営農された履歴を有する。(画像:北海道大学発表資料より)

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 北海道大学などの研究グループは、耕作放棄地に湿地・草地性鳥類が多く生息していることを明らかにした。研究グループは、北海道大学大学院農学研究院の中村太士教授、森林研究・整備機構森林総合研究所の山浦悠一主任研究員らによって構成される。

【こちらも】北大、猛禽類の保全が他の鳥類の保全にも繋がることを明らかに

 近代において、人類の活動エリアの拡大・侵食により、湿地や草地、森林などの多くの自然生態系は農地や都市などに移り変わってきた。世界的に見て、18世紀よりこちら、地球上の湿地の80%、草地の約40%、森林の約20%は喪失されたと言われている。

 当然これに伴って、それらのエリアに展開されていた生態系に属する生物の数も大きく減少したものと考えられる。

 だが、一方で、人口減少や農業活動の縮小などといった様々な事情から、耕作が行われなくなった農地、すなわち耕作放棄地も近年、世界的に増加している。耕作放棄地は、長期的に見れば開発前のもとの生態系に戻ることが多いと考えられている。

 従って耕作放棄地の増加は、少なくとも一つの側面としては、これまで生息地が失われてきた生物を保全する機会になり得る可能性が指摘されている。ただ、具体的に耕作放棄にどのような生き物が暮らしているかについての研究は少ない。

 研究グループは、北海道中央部の石狩・胆振(いぶり)地方に48の調査点を設置し、耕作放棄地を含むその地域の主要な6つの土地利用タイプ(湿地、草地、湿性放棄地、乾性放棄地、農地、森林)において鳥類の生息数を調べた。つまり耕作放棄地はその性質によって乾性と湿性に分けて研究されたわけである。

 観察された鳥類を4つのグループに分類し、土地利用タイプ間での生息個体数を比較したところ、耕作放棄地に棲息する湿地・草地性鳥類の個体数は、本来の生息地である湿地や草地よりは少ないものの、農地や森林よりは高い傾向があることが分かったという。

 特に、コヨシキリ、オオジュリンなどの湿地性種については、農地よりも顕著に生息数が多かった。

 なお研究の詳細は、農業環境学の専門誌Agriculture, Ecosystems & Environmentに公開されている。(藤沢文太)

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