大接近火星とのコラボレーション 7月28日未明、2018年2回目の皆既月食

2018年7月22日 11:31

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皆既月食と火星 2018年7月28日 東京(C)国立天文台

皆既月食と火星 2018年7月28日 東京(C)国立天文台[写真拡大]

  • 2011年12月10日23時32分の皆既月食 今回はもっと赤くなる可能性が高い(C)国立天文台

●途中で夜が明けてしまう未明の皆既月食

 7月28日(土)に2018年2回目となる皆既月食が見られる。2018年第1回目の皆既月食は1月31日だったが、この時はかなり話題になった。だが、今回は知らない人が多いのではないだろうか。今回もまた前回と同様に全国で見ることができる。天候さえ良ければ大接近する火星のとの競演も期待できる。にもかかわらず、あまり話題にでない。

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 いちばん大きな原因は皆既月食の時間だ。1月の皆既月食は午後9時前から欠け始め、午後9時51分に月が完全に地球の影に入る皆既食を迎えた。今回は未明だ。欠け始めはおおよそ午前3時24分で、全国で見ることができる。しかし、九州以南以外は皆既食の間に月の入り時刻になってしまう。

●南へ行くほど長い間皆既月食を見ることができる

 東京では南西の空約13.6度という低い位置から月食が始まる。月食は日本全国どこでも同じ時刻に始まり、終わるので、皆既食が始まる時刻はおおよそ午前4時30分。日の出が4時46分のため、もう白々と明けてくる時刻だ。位置は約2.8度で、地上すれすれ。月の入りは4時47分、約17分間の皆既食だが、空が明るくて「皆既食中には、月が見えなくなってしまうかもしれません」(国立天文台)とのことだ。

 東京以北は月食の始まりは見ことができても、夜明けが東京より早いので、皆既食はほとんど見られないだろう。福岡は月の入りが午前5時32分のため、最大の皆既食時刻(おおよそ5時22分)にかろうじて月がまだある。那覇は月の入り時刻が5時58分のため、30分以上皆既月食を楽しめる。

●夜明け前に見られる、うっすら光る赤い月と赤い火星の競演

 今回の皆既月食は、火星の大接近とあわせて、大変貴重で幻想的な天体ショーが演じられる。皆既月食の特徴として、皆既食中でも月はうっすらと赤銅色で見える。それが地表近くだと「大気の影響を受けて、本来の色よりも赤みが強くなる」(同)とのこと。そして火星はこの時期月のすぐ左側に赤く輝いている。

 7月28日は満月のため、まん丸な月が欠け、光を失っていくと同時に、火星はどんどん輝きを増していく。そして皆既食。赤みを増しうっすらと光る月と最大に輝く赤い火星。一生に一度あるかどうかという赤と赤の競演、がんばって早起きしてはいかがだろうか。(記事:norijun・記事一覧を見る

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