15日の中国本土市場概況:上海総合0.7%安で3日続落、大型金融株は逆行高

2018年6月15日 16:49

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記事提供元:フィスコ


*16:49JST 15日の中国本土市場概況:上海総合0.7%安で3日続落、大型金融株は逆行高
15日の中国本土市場は値下がり。主要指標の上海総合指数は、前日比22.26ポイント(0.73%)安の3021.90ポイントと3日続落した。約1年9カ月ぶりの安値水準に落ち込んでいる。上海A株指数も下落し、23.25ポイント(0.73%)安の3165.00ポイントで取引を終えた。

米中貿易摩擦の激化を警戒。米メディアは昨夜、「トランプ米大統領は、約500億ドル相当に上る対中輸入品に対する追加関税を承認した」と関係筋情報として伝えた。関税対象となる中国の輸入品リストについて、米政府は15日にも公表する予定とされる。また、足元の中国経済統計が下振れるなか、中国景気の減速も不安視された。

業種別では、ITハイテク関連の下げが目立つ。金融機関向けソフト開発会社の恒生電子(600570/SH)が4.4%安、光ファイバー製造の烽火通信科技(600498/SH)が4.0%安、太陽光発電素材メーカーの隆基緑能科技(601012/SH)が3.4%安、スーパーコンピュータ大手の曙光信息産業(中科曙光:603019/SH)が3.0%安で引けた。隆基緑能科技に関しては、単結晶シリコンウエハ商品の値下げが嫌気されている。「過去最も厳しい内容」とも呼ばれる産業政策が月初に発表されて以降、太陽光発電素材の価格下落圧力が強まる状況だ。

飲料や家電、服飾など消費セクターもさえない。重慶ビール(600132/SH)が4.9%、青島ビール(600600/SH)が4.3%、海瀾之家(600398/SH)が3.4%、海信電器(600060/SH)が2.5%ずつ値を下げている。ビール株などは、ロシアで開幕したサッカー・ワールドカップ(W杯)を巡り、アルコール飲料などの消費が盛り上がるとの期待で直近は買いが目立っていた。中国ではサッカー人気が高く、過去のW杯でも売上が伸びた経緯がある。このほか自動車株、交通インフラ株、発電やガスの公益株、非鉄株、バイオ医薬株なども売られた。

半面、時価総額上位の金融株はしっかり。中国工商銀行(601398/SH)が1.4%高、中国建設銀行(601939/SH)が1.7%高と上昇した。不動産株や石油・石炭株などの一角も物色されている。

一方、外貨建てB株の相場は値下がり。上海B株指数が4.35ポイント(1.41%)安の303.27ポイント、深センB株指数が13.38ポイント(1.19%)安の1113.93ポイントで終了した。


【亜州IR】《FA》

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