30日の米国市場ダイジェスト:NYダウは306ドル高、イタリアの政治懸念が緩和

2018年5月31日 07:42

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記事提供元:フィスコ


*07:42JST 30日の米国市場ダイジェスト:NYダウは306ドル高、イタリアの政治懸念が緩和
■NY株式:NYダウは306ドル高、イタリアの政治懸念が緩和

30日の米国株式相場は上昇。ダウ平均は306.33ドル高の24667.78、ナスダックは65.86ポイント高の7462.45で取引を終了した。イタリアの政局不安が一服し、投資家心理が持ち直したことで買いが先行。米国債利回りの上昇を受けて金融関連銘柄を中心に買い戻しが広がったほか、原油高も好感され、終日上昇となった。セクター別ではほぼ全面高となり、エネルギーや銀行の上昇が目立った。

原油相場の上昇を受けてエクソン・モービル(XOM)やシェブロン(CVX)などエネルギー関連会社が堅調推移。スポーツ用品小売のディックス・スポーティング・グッズ(DKS)は、業績見通しを上方修正し大幅上昇。クラウドベースの顧客管理ソフトなどのセールス・フォース(CRM)とPCメーカーのHPインク(HPQ)は、決算内容が好感され買われた。一方で、アパレルのマイケル・コース(KORS)は、慎重な通期見通しが嫌気され大幅下落となった。

地区連銀経済報告(ベージュブック)では、製造業の成長拡大が示された一方で、雇用と物価が緩やかに拡大したとの認識が示された。景気判断が前回からやや上方修正され、6月の利上げを後押しする内容となった。

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■NY為替:イタリア懸念やや後退しユーロ買い戻し強まる

30日のニューヨーク外為市場でドル・円は、108円76銭から109円07銭で推移し、108円91銭で引けた。米国の5月ADP雇用統計が予想を下回り、1-3月期GDP改定値も下方修正されたことでドル売りが先行。その後、ユーロ・円の一段の買い戻しに連れ高となった。

ユーロ・ドルは1.1594ドルから1.1676ドルまで上昇し、1.1665ドルで引けた。イタリアのポピュリズム政党が、組閣円滑化のためユーロ懐疑派の経済相候補の指名辞退を申し入れたと伝えられ、再選挙回避期待などからユーロ買いが強まった。ユーロ・円は126円24銭から127円32銭まで上昇した。

ポンド・ドルは1.3269ドルから1.3307ドルでもみ合い。ドル・スイスフランは0.9879フランから0.9908フランで推移した。


■NY原油:反発で68.21ドル、協調減産維持の見方などから買い優勢

NY原油先物は反発(NYMEX原油7月限終値:68.21↑1.48)。66.92ドルから68.51ドルまで上昇した。「OPEC加盟・非加盟国は年内、さらにその先も協調減産を維持し、必要となった場合の増産は段階的で慎重に実施」(関係筋)との見方が伝えられ、買いが優勢になった。

また、イタリアの再選挙回避への期待などから欧米株が反発し、景気減速懸念が後退したほか、ユーロ高・ドル安となり割安感が強まったことも買いにつながった。


■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC) 29.49ドル +0.53ドル(+1.83%)
モルガン・スタンレー(MS) 50.97ドル +1.01ドル(+2.02%)
ゴールドマン・サックス(GS)229.16ドル +2.93ドル(+1.30%)
インテル(INTC) 55.68ドル +0.36ドル(+0.65%)
アップル(AAPL) 187.50ドル -0.40ドル(-0.21%)
アルファベット(GOOG) 1067.80ドル +7.48ドル(+0.71%)
フェイスブック(FB) 187.67ドル +1.93ドル(+1.04%)
キャタピラー(CAT) 155.46ドル +1.84ドル(+1.20%)
アルコア(AA) 48.54ドル +1.24ドル(+2.62%)
ウォルマート(WMT) 84.12ドル +1.72ドル(+2.09%)
スプリント(S) 5.22ドル +0.09ドル(+1.75%)《HT》

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