破産で4部まで落ちたパルマ、3年で1部復帰

2018年5月29日 21:20

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■パルマの電撃破産劇

 イタリアのパルマというサッカーチームをご存じだろうか。かつて中田英寿氏が在籍していたチームで、欧州カップのタイトルを2度獲得した古豪だ。しかし、2015年に破産したためセリエAからセリエD(4部)まで降格してしまった。

 チームの存続も危ぶまれたが、主将のアレッサンドロ・ルカレッリは残留し、引っ張った。2015-16シーズンでセリエDからセリエC、16-17シーズンでセリエCからセリエBへととんとん拍子で昇格していった。

 それでも、17-18シーズンでセリエAへの昇格切符を手にするのは難しいと思われていた。しかし、首位エンポリには独走状態を許しながらも、昇格圏内で踏みとどまっていたパルマは最終的に21勝9分12敗で2位となり、来シーズンのセリエA自動昇格を決めた。

■劇的な自動昇格決定

 イタリアで2部リーグにあたるセリエBでは、1位と2位が自動昇格、3位から6位までがプレーオフ(ホームアンドアウェー方式)を行い勝ち残った1チームがセリエAに昇格する。

 パルマは最終節まで3位につけており、自動昇格は2位のフロジノーネの試合にゆだねられていた。そして、そのフロジノーネは88分まで2-1で勝っていた。

 しかし89分に対戦相手のフォッジャに同点ゴールを許した。一方パルマは最終節でスペツィアに2-0で勝利し、最後の最後でフロジノーネを得失点差で上回った。これによりパルマは自動昇格決定、一方フロジノーネはあと一歩というところで自動昇格の道を絶たれてしまった。

■18-19年シーズンのパルマから目が離せない

 破産しセリエDまで降格した際はチームが消滅するものだと思っていた。少なくともセリエAや国際大会でパルマを見ることはないと思っていた。しかしわずか3年でここまで上がってきたパルマはまさに不死鳥と言っても過言ではないだろう。

 来シーズンからはセリエAに昇格し、苦戦を強いられることだろうが、何とか踏みとどまって残留を果たしてほしい。そして3年後くらいにセリエAを制覇するようなことがあれば、本当の伝説を築くことができるだろう。

■パルマの歴代選手

 ようやくセリエA復帰を果たしたパルマだが、過去にはそうそうたるメンバーが所属していた。

主な歴代所属選手は以下の通り
ジャンルイジ・ブッフォン、ファビオ・カンナヴァーロ、フェルナンド・コウト、クリスティアン・バヌッチ、カルロ・アンチェロッティ、パウロ・ソウザ、ディノ・バッジョ、中田英寿、フリスト・ストイチコフ、エルナン・クレスポ、アントニオ・カッサーノ、サボ・ミロシェビッチ、他多数

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