【テスラ・モデル3生産停止】4・5日間との発表 ライン改善のため「よくあること」

2018年4月17日 12:58

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 テスラがモデル3の生産を一時止めたようだ。「よくあること」とテスラ広報は語っている。

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 ロイター通信によると、“米電気自動車(EV)メーカー、テスラ(TSLA.O)は16日、量産車「モデル3」生産の一時休止を発表した。予定されていた措置という。(中略)米ニュースサイトのバズフィードは、テスラがカリフォルニア州フレモント工場でのモデル3の生産を予告なく一時停止した。(中略)従業員の話として、生産が休止される4、5日間、労働者は有給休暇を使うか無給で自宅待機する”と伝えている。

 さらにこの記事では、“テスラの広報担当者は休止期間について、生産効率を高めるため、オートメーションの改善やボトルネックへの対応に充てると説明した。その上で、こうした措置はまれではなく、生産拡大の際にはよくあることだ”と記載している。

 生産ラインを構築していくときには、当然にラインを一時停止しなければならない状況が起こりえるが、それが大きく報道されるのは、テスラへの注目度の高さを表しているのだろう。テスラに投資している投資家にとっては、現在では注目せざるをえないのだろう。

 世界の自動車会社に限らず製造業では、生産計画を立てて新規にラインを構築する際には、1度にセットアップを完了できることは想定していない。幾度となく作りなおすことが必要になるのが通常だ。それだけでなく、生産が軌道に乗った後も、不具合を発見しては手直しの連続だ。また、新たな概念が導入されると、全てやり直しもあり得ることだ。それを現場の作業員を中心に絶え間なく行ってきた。

 プログラム開発でもデバッグしながら手直しをしていくが、その作業には「才能が大きな比重」を占めている。しかし、製造ラインでは、「経験とチームワークが重きをなす」ことになる。もちろん「経験者」を雇い入れ、「才能」のある人物が作業すれば、改善は少なくても済む。それでも時間の経過と共に、改善を絶え間なく進める「チームワーク」がメーカーの屋台骨を支える度合いは半端ではない。

 テスラも、これまでの自動車メーカーが粛々と進めてきた作業を、現在一気に行おうとしているだろう。イーロン・マスクと言えども、「経験」なくして出来ない部分を経験しているのだ。だが、「才能」が経験する時間を短縮してくれるだろう。「稚拙」とも思える言動が「天才」の持ち味で、いつの世でも「優れた実務家」に寄り添ってもらうことが、彼らにとっての成功の秘訣だ。また、その人間関係を作り出せる能力を持っていることが、幸運の印となる。

 ホンダ創業者の本田宗一郎は、「人ったらし」と言われるほど、人を使うことが上手であった。それは、幸運な天才であったからだ。世の成功、不成功は「ほとんど運次第」と言える状況なのだから、「成功しても高慢にならない」こと、「失敗しても落胆しすぎない」ことが肝要だ。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

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