サッカー日本代表、ハリルホジッチ監督解任 後任は西野朗氏

2018年4月9日 23:23

印刷

 日本サッカー協会は9日、日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督との契約を解除したことを発表した。

 田島幸三会長は記者会見において「選手とのコミュニケーションが困難となった」ことなどを解任の理由として語った。また、後任として西野朗技術委員長の新監督就任も併せて発表された。

■日本サッカー史上初、大会目前での解任劇

 W杯を約2カ月後に控え、異例とも言える監督交代が敢行された。

 田島会長は会見で「(先月行われたベルギー遠征の)マリ戦、ウクライナ戦後、選手との信頼関係が薄れてきた」ことも交代の理由の一つとして挙げた。1分け1敗に終わったベルギー遠征後、チームの内外から伝わってきた声はネガティブなものが多かった。縦にボールを運ぶシンプルな攻撃の構築を望んだハリルホジッチ監督と、キープしながらパスを繋いでの組み立てを試みようとする選手との溝が2試合の結果からより大きなものとなり、結果として今回の交代に結びついたものとも考えられる。

 また、昨年のアジア最終予選以降は選手選考にも多くの異論が唱えられてきた。特に本田圭佑や岡崎慎司、香川真司らW杯経験者を代表から外す機会も目立ち、予選途中に頭角を現した若手を積極的に起用し続けた。

 しかし、期待が大きかった浅野拓磨や井手口陽介らはその後、所属クラブでレギュラー獲得に至らないことを理由に現在は代表への召集は見送られていた。マリ戦では初代表となるベテラン選手を先発として出場させるなど、本大会を目の前にしてメンバーの選出、固定にも決して小さくない迷いが生じていたことは明らかだ。

■命運を託された西野新監督

 新たに日本代表を率いることとなった西野新監督。過去、世代別の代表監督を務めた経歴を持ち、日本が28年ぶりの五輪出場を果たした1996年のアトランタオリンピックでも指揮を執っている。その後、柏レイソルやガンバ大阪などJリーグクラブでも監督として多くのタイトルを獲得しており、実績は申し分ない。これまでも幾度となく代表監督候補として名前が挙げられてきた。「内部昇格」という形となった今回の新監督就任の理由としても、指導歴や国際経験が豊富であることが田島会長から発せられている。

 確かに技術委員長である西野氏であれば内部を知り尽くしているのは間違いない。現状の問題点、立て直しに必要な情報の把握も十分な筈だ。

 しかし、A代表監督の経験を持たず、実戦の現場を離れて数年がたつ新指揮官によって果たして目標のW杯ベスト16を叶えられるのだろうか。また、12日に就任会見を行い、最初に課せられる任務が来月末に発表される最終メンバー選考、その後、2~3試合のテストマッチを経て本大会を迎える。今回の決断と共にあまりにも時期的に無理があるように思えてならない。

 ともあれ、大鉈は振るわれ、賽は投げられた。我々は今回の監督交代劇があくまでも、ロシアW杯での勝利を本気で求めた上での決断であると信じるしかない。(記事:佐藤文孝・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事