「火垂るの墓」の高畑勲監督が死去、数々の名作を生み出した偉人

2018年4月8日 21:56

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■世界的アニメーターがこの世を去る

 2018年4月5日、アニメ映画監督の高畑勲氏が82歳で亡くなった。肺がんを患っており以前から入退院を続けていたようだ。高畑氏は世界的アニメーターとして知られており、「アルプスの少女ハイジ」や「赤毛のアン」などの演出を手掛けた。実は「ドラえもん」の企画案などにも関わっており、現代の日本アニメ史を語る上で外せない人物だ。

 そして、宮崎駿氏とスタジオジブリを設立した高畑氏は「火垂るの墓」や「かぐや姫」などの名作を生み出した。後世に伝わる本アニメ映画は多くの人の心を打つものばかりで、人間味あふれる姿を映し続けてきた。

■大人向けなジブリ作「おもひでぽろぽろ」の監督

 個人的に高畑勲監督の作品として頭に浮かぶのが「おもひでぽろぽろ」だ。「風の谷のナウシカ」や「天空の城ラピュタ」などとは全く違った経路の作品ながら、そのリアリティに徹底した作品は多くの人の心を掴んだ。高畑氏はこの作品を生み出すため、1982年の山形県の様子や、当時放送された番組の音源をそのまま使うなどの演出が施されている。さらに、主演のタエ子とトシオの2人は声を取った後に映像を作るなど、従来とは違った手法もリアリティ構築に一役買っている。

 また、設定も当時のOLの心理を細かく描写している。時代は1982年の夏、27歳の岡島タエ子が都心を離れて親戚の住む田舎に農業体験へ向かう。その道中で小学校5年生の思い出がふつふつと甦り、自然と自分のことを振り返っていく。

 この思い出たちはタエ子が田舎暮らしのちょっとしたきっかけとリンクしたり、滞在先でお世話になるトシオとの触れ合いの中でフラッシュバックする。この思い出たちを振り返ることで、タエ子は自分にとって本当に大切なものに気付くという流れになっている。今風に言うところの「自分探し」のような映画だが、等身大のタエ子を美化することなく、「未熟な大人」を真っ直ぐに描いた本作品を鑑賞した後はつい自分のことも振り返りたくなる。

■人間臭さにこだわった「となりの山田くん」

 また、高畑氏の作品で外せないと感じるのが「となりの山田くん」だ。原作の4コマ漫画をつなぎあわせることでオリジナルストーリーを作成し、クスリとする家族の姿を真正面から描いた作品である。そこには「家族っていいね」という物語ではなく、家族だから起こりうるトラブルが盛り込まれている。そんな「あるある」につい共感すると共に、人間臭さを感じられる作品だ。

 この「人間臭さ」は高畑氏の作品に共通するテーマのように感じる。どこまでもリアリティを追求するからこそ、他のアニメ作品と違った雰囲気を醸し出しているのだろう。(藤田竜一)

関連キーワードドラえもんスタジオジブリ宮崎駿アルプスの少女ハイジ高畑勲

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