大日本印刷、LED光照射で真贋判定ができるホログラムを開発

2018年4月2日 06:24

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LEDをホログラムに当てると、絵柄や文字が浮かび上がる。(画像:大日本印刷発表資料より)

LEDをホログラムに当てると、絵柄や文字が浮かび上がる。(画像:大日本印刷発表資料より)[写真拡大]

 大日本印刷(DNP)は、LEDの点光源を照射すると表面に文字や絵柄などが浮かび上がり、真贋の判定ができる新しいリップマン型ホログラムを開発した。

【こちらも】大日本印刷、偽造防止用のエンボスホログラムを開発

 リップマンホログラムというのは、上下左右の立体感を表現することのできる最新のホログラムの一種のことである。製造が非常に難しいため、必然的に量産も困難で、セキュリティ性が高いという特徴がある。

 近年、ホログラムは偽造防止手段・真贋判定手段として広く用いられている。紙幣(日本銀行券)にも使われるようになったのは誰もが知る通りのことであるし、ブランド品、IDカード、金券類、カード類、医薬品や化粧品、また自動車や電子機器などにも用いられている。

 さて、主に用いられている偽造防止ホログラムとしてはエンボス型(左右方向の立体表現ができるホログラム)と、前述のリップマン型ホログラムがある。これを両方提供可能な技術力を持つ企業は世界的にも数少ないというが、大日本印刷はその一つである。

 たとえば、2016年、ハンディタイプのLEDライトやスマートフォンなどに搭載された点光源のLEDを照射することで表面に文字や絵柄を浮かび上がらせるエンボス型ホログラム「DNPホログラムLED判定」を開発し、部品メーカーなどに採用されている。

 今回、この「DNPホログラムLED判定」が、リップマン型ホログラムにも対応するようになったのである。

 特徴として、やはりLEDなどの点光源を当てるとホログラムで文字や絵柄が浮かび上がるのであるが、エンボス型に比べて色の分散が小さく、文字や絵柄がより見えやすい。

 ハンディタイプのLEDライトや、流通している一般的なスマートフォンに搭載されているLEDライトを使って真贋判定が可能であるので、導入コストを抑えることができるのが特徴である。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

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