ハエは「求愛歌」をどうやって聞き分けるのか 名古屋大学の研究

2018年3月26日 15:48

小

中

大

印刷

研究の概念図。(画像:名古屋大学発表資料より)

研究の概念図。(画像:名古屋大学発表資料より)[写真拡大]

写真の拡大

 ショウジョウバエは求愛に羽の音を用いる。音声とは厳密には異なるが「求愛歌」と呼ばれるものである。この求愛歌に関する学習メカニズムについて、名古屋大学は「若い時期に歌を学習したメスは、その種類の求愛歌を歌うオスの求愛にしか応じなくなる」という知見を明らかにした。

【こちらも】文鳥の求愛歌は、くちばしで“リズム”を取っている―北大

 昆虫の中で求愛歌を持つものが存在することはよく知られている。代表的な例にセミやコウロギがいる。なぜかれらが代表的かといえば人間の耳にもよく聞こえるからである。いっぽうショウジョウバエの求愛歌は、人間が一般的に認識できるほどのものではないし、したがってあまり知られてはいないが、ショウジョウバエの中でもいろいろに分かれる各種類ごとに微妙に異なった求愛歌を持っている。

 しかしショウジョウバエは、ほんとうに微妙な違いであるに過ぎない近縁種の間の歌の違いをどう聞き分けているのか。従来の理論では、ショウジョウバエの学習の力では、歌の違いを弁別学習することはできないと考えられていた。たとえばキンカチョウ(鳴禽類と呼ばれる、スズメの仲間の鳥の一種)などの高等生物においては、幼少期における他の個体の歌を聴く経験がその後の歌の弁別に大きな影響を与えることが知られていたが、ハエにはそのような能力はないというのが従来の研究だったのである。

 ところが今回の研究で、人工の求愛歌を聴かせて育てたメスのハエがその特定の歌だけに反応するように育ち、いっぽう成熟した個体にそれを聴かせても弁別に変化が生じなかったことから、ハエは幼少期に聴いた求愛歌を学習する能力を持っていることが分かったのである。

 また、この学習の神経的基盤として、GABAと呼ばれる抑制性神経伝達物質が必要であり、さらに、pC1ニューロンと呼ばれる脳の中の神経系が関与している、ということも明らかになったという。

 なお、研究の詳細は、eLife誌に掲載されている。(藤沢文太)

関連キーワード名古屋大学

「自然環境・動植物」の写真ニュース

IT・サイエンスの最新ニュース

RSS

もっと見る

主要ニュース

RSS

もっと見る

広告

広告

SNSツール

RSS

facebook

zaikeishimbun

いいね!

twitter

@zaikei_it

フォロー

google+

Hatena

広告

ピックアップ 注目ニュース