ナゴヤドームの照明設備がフルカラーLED化、様々な演出が可能に

2018年3月1日 06:57

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演出照明イメージ(音や映像と組み合わせた点滅・調光) 。 (画像:岩崎電気発表資料より)

演出照明イメージ(音や映像と組み合わせた点滅・調光) 。 (画像:岩崎電気発表資料より)[写真拡大]

 岩崎電気は、プロ野球場ナゴヤドームを運営するナゴヤドーム社からの採用を受け、スタジアムの天蓋を含めた全体の照明設備について、フルカラーでの光演出が可能なDMX制御によるLED照明システムを、日本国内の野球用大型施設としては初めて施行したことを発表した。なお、実際に施工にあたったのは竹中工務店、電気設備工事はトーエネックが担当した。

 ナゴヤドームが完成したのは1997年であるが、ナイター用照明設備としてはやはり岩崎電気のHID照明が採用されていた。今回、大幅刷新に伴い、欧米では広く既に導入されている、スタジアム全体の光彩演出を可能とするDMX制御方式が導入されたわけである。

 なお、既存のメタルハイライドランプ投光器から効率のよい超高演色形LED投光器「LEDioc FLOOD ZEST(レディオック フラッド ゼスト)」570灯(フィールド照明で488灯削減)と高効率形LED投光器「LEDioc FLOOD DUELL(レディオック フラッド デュエル)」48灯(空間照明)に切換えを行ったことで、電力は60%ほど削減されるという。

 同時に、高度な三次元シミュレーションによる検証と器具設計の見直しによって、「まぶしさ(専門用語ではグレア)」も軽減されている。

 LEDioc FLOOD ZESTは、次世代テレビ放送として知られるスーパーハイビジョン(4Kと8K)に対応しており、平均演色評価数Ra94、超高演色LEDである。自然な色の見え方を実現し、スーパースロー再生やハイスピードカメラ撮影における「ちらつき」も防止することができる。

 再現できる色数は理論値では1,677万色(いわゆる自然色)であり、それを102台ドーム天井に照射することにより、たとえばチームカラーを天井一面に映すであるなどといったことも可能となっている。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

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