スペイン、ワールドカップ出場権はく奪の可能性も

2017年12月21日 20:55

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■ワールドカップ出場権はく奪の可能性も?

 国際サッカー連盟(FIFA)がスペインのロシアワールドカップ出場権のはく奪について、検討しているという。スペイン政府からスペインサッカー協会への政治的干渉があるとして、このような経緯に至った。今後FIFAと欧州サッカー連盟(UEFA)の代表者が同国の首都・マドリードに入り調査を行うという。万が一スペイン政府から同国協会への干渉が確認された場合ロシアワールドカップ出場権をはく奪されることになる。

 同様の動きがペルーにも起きている。ペルーでは11月にサッカー連盟を国家の管轄下に置こうとする動きがあり警告されている。そして、実はスペインでこのようなことが起きたのは初めてのことではない。

 2008年にもEURO2008への出場が危ぶまれた。その際は選挙日程をずらすということで何とか難を逃れた。

 スペインにせよ、ペルーにせよ国民のサッカーの関心というのは恐ろしく高い。万が一政府のせいでワールドカップ出場ができないとれば、暴動どころの話では済まされない可能性もある。そのような失態は何とか避けたいため、どんな手段を使ってもワールドカップ出場権を死守する動きに出ることは容易に想像できるが、2度目ということもあり、楽観視もしていられないというのが現状だろう。

■出場権がはく奪されたら

 万が一スペイン、ペルーの出場権がはく奪された場合、どういう措置を取るかというのはもちろんまだ決まっていない。今大会、ヨーロッパではイタリア、オランダ、南米ではチリといった強豪国が出場権を逃した。それらの国のファンとしてみればもしかしたらと目を輝かせていることだろう。

■サッカーと政治の癒着

 サッカーと政治の癒着は少なからずある。FIAFにもUEFAにも汚職はあるし、明るみに出ていないところで多額のお金が動いていることもありえるだろう。しかし、ワールドカップ予選を死に物狂いで戦い抜き出場権を獲得した選手に対して、そのような仕打ちをするのは果たしてどうかという疑問もあるだろう。

 彼らは予選で失点された際には国民からバッシングを受け、チャンスでゴールできなかった際には大きなため息をつかれている。そんな彼らに「政治が絡んでいたからワールドカップの出場権をはく奪します」というのは、簡単に納得できない人たちもいるだろう。今後の事態の推移が注目される。

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