前場に注目すべき3つのポイント~買い一巡後はこう着も売り仕掛けは禁物か

2017年11月29日 08:45

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記事提供元:フィスコ


*08:45JST 前場に注目すべき3つのポイント~買い一巡後はこう着も売り仕掛けは禁物か
29日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:買い一巡後はこう着も売り仕掛けは禁物か
■外資系証券の注文動向:差し引き70万株の売り越し
■前場の注目材料:パナソニック、EV生産を支援、中・印で


■買い一巡後はこう着も売り仕掛けは禁物か

29日の日本株市場は買い先行の展開となろう。28日の米国市場は、NYダウが250ドル超の上昇となり、最高値を更新している。次期FRB議長に指名されているパウエルFRB理事が、公聴会で緩やかな利上げ路線の継続に言及したことで買いが先行。北朝鮮によるミサイル発射を受けてナスダックは一時下げに転じる場面もみられたが、その後急速に切り返すなど、影響は限定的だった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比130円高の22630円となり、朝方はこれにサヤ寄せする格好から幅広い銘柄が買われそうだ。

ただし、インデックスに絡んだ買い一巡後は、こう着感が強まりやすいだろう。日経平均は5日線を上回ってくることになろうが、直近のもち合いレンジ内での推移になりそうである。北朝鮮のミサイル発射については、米国では影響が限られたものの、日本に対する影響は意識されやすいだろう。また、ナスダックが切り返しているが、半導体SOX指数は下落となっている。足元で半導体物色にピーク感がみられてきていることもあり、買い一巡後は利益確定に向かいやすく、値がさハイテク株の戻りの鈍さが次第に日経平均の上値を抑える可能性はありそうだ。

また、インデックスに絡んだ売買が中心となるため、中小型株も手掛けづらさが意識されやすいところはある。物色対象も好業績や需給状況の良好な銘柄へ集中しやすいとみられる。その他、30日に石油輸出国機構(OPEC)総会が開催されることから、これを見極めたいとする模様眺めムードが強まりやすい面もある。もっとも、昨日は内需・ディフェンシブ系にシフトしており、需給状況は良好である。半導体関連なども、利益確定売りは出来ても、売り仕掛けは禁物だろう。

(株式部長・アナリスト 村瀬智一)


■外資系証券の注文動向:差し引き70万株の売り越し

朝の外資系証券5社経由の注文状況は、売り680万株、買い610万株、差し引き70万株の売り越しとの観測。

11月 21日(火):630万株の買い越し
11月 22日(水):120万株の買い越し
11月 24日(金):134万株の買い越し
11月 27日(月):340万株の売り越し
11月 28日(火):350万株の買い越し


■前場の注目材料

・NYダウは上昇(23836.71、+255.93)
・ナスダックは上昇(6912.36、+33.84)
・好業績銘柄への物色意欲の強さ
・NY金は上昇、(1294.9、+0.5)
・シカゴ日経225先物(22630、+130)
・パウエル次期FRB議長候補、12月の利上げ示唆
・10月国内建設受注、5.8%増

・パナソニック<6752>、EV生産を支援、中・印で
・日立<6501>、人材情報を一元管理、IT基盤、来年から本格運用


☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・09:00  安倍首相や麻生財務相ら全閣僚が出席して参院予算委員会で質疑
・10:00  アルミ出荷統計(10月)
・10:10  国債買い入れオペ(残存期間5年超10年以下と10年超)(日本銀行)

<海外>
・特になし《HT》

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