法人向け名刺管理サービス市場、さらに拡大へ Sansanがシェア8割以上

2017年10月25日 07:21

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Sansanが提供している名刺アプリ「Eight」の画面イメージ。(画像: Sansanの発表資料より)

Sansanが提供している名刺アプリ「Eight」の画面イメージ。(画像: Sansanの発表資料より)[写真拡大]

 シード・プランニングは24日、法人向け名刺管理サービスの市場動向に関する調査結果を発表した。名刺管理サービスは名刺をデジタル化して整理するサービスとして、CRM(顧客管理システム)やビジネスSNSなどとの連携により、さらなる市場拡大が予測されている。

 法人向け名刺管理サービスの市場規模は、22年に107億円の市場になると予測(16年62億円)されている。09年3.7億円、10年6.4億円、12年には10億円を突破。14年には、SansanがTVCMを開始したことで知名度が向上、市場が拡大した。

 法人向け名刺管理サービスは07年、Sansanの名刺管理ビジネス参入により、新しい市場が生まれた。以降、08より16年まで毎年数社の参入企業が相次ぎ、現在はOEMを含めて20社以上あるという。

 シェアトップ3は、Sansan、キヤノンエスキースシステム、ハンモック。この3社が市場の9割弱を占め、シェアトップのSansanが約8割以上のシェアを持つ。

 Sansanは16年に大手企業向け料金体系「コーポレートライセンス」の提供を開始。17年10月には、名刺管理アプリ「Eight」で小規模事業者向けたサービスを開始するなど、市場のニーズに応じたサービスを展開してきた。

 8月には、AIを活用した新たな人脈作りを促す機能を18年前半に開発すると発表。蓄積された名刺データをAIにより分析、ビジネスの動きに乗じて「次に会うべき人」を提案するものという。ビジネスにおける新しいインフラを目指し、日本のみならず海外展開も加速度的に進めている。

 約10年目を迎えた名刺デジタル化サービスは、ソフトウェアおよびソリューション、ビジネスSNSなどとの連携により、名刺を核にしたマーケティング・顧客管理ビジネスになることが期待されている。

 例えば、営業職は、これまで顧客や営業履歴を既存のデータベースにて管理していたことから、名刺をデータ管理することにより二重管理のデメリットなどが挙げられていた。名刺管理サービスは、こうした営業履歴などのデータベースと統合して、組織的に可視化されたインフラサービスとして拡充していく可能性があるという。

 その他、部門を超えた他部門の人脈活用や、担当変更の円滑な引継ぎなど、新しいビジネスインフラとしての可能性が多大に残されていることから、名刺管理サービスの今後には期待をしていきたい。

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