光合成をしない新種の植物「オモトソウ」石垣島で発見

2017年7月30日 10:37

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石垣島で初めて発見された植物「オモトソウ」。撮影、杉本嵩臣氏。(写真:神戸大学発表資料より)

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 神戸大学の研究グループは、沖縄県・石垣島でホンゴウソウ科菌従属栄養植物の新種を発見し、これを「オモトソウ」と命名した。オモトソウは、光合成を行わない特異な植物の一種である。

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 光合成は植物の最も基本的な要素の一つである。葉緑素があって光合成を行うことが、植物の大定義のひとつとして一般に扱われるほどだ。

 ただし、何事にも例外がある。空を飛ぶことをやめた鳥もいれば、海に戻って行った哺乳類もいる。同じく、光合成をやめた植物もいるのである。

 菌従属栄養植物。ほとんどの人にはまったく耳に馴染みがない存在であろう。これらの植物は、根にキノコやカビなどの菌糸を取り込み、それを消化して生きている。つまりは、光合成を行わない植物というわけだ。

 日本は植物相の研究が進んだ国であり、未知の植物というものはほとんどない。しかし、菌従属栄養植物は例外的存在である。何しろ光合成を行う必要がないから、花期と果実期のわずかな期間以外、地上に姿を現さない。それゆえ、その分布についてなど、謎が非常に多いのである。

 今回見つかったオモトソウは、石垣島の於茂登岳の周辺で発見された。形態的特徴は、ホンゴウソウ科ホンゴウソウに類似していた。しかし、雄花の先端の球状突起が、ホンゴウソウにおいては3つであるのに対し、この新種は6つであった。それで新種だということが分かり、発見場所の名前にちなみ、オモトソウと命名されたのだ。

 オモトソウは、地上部5~10cm程度の小さな植物で、紫色の、直径2mmほどの花をつけるという。

 菌従属栄養植物は、その特殊な生態ゆえに、資源の豊かな森林地帯にしか生息できない。かつて博物学者の南方熊楠は、そうした場所を「森の聖域」と呼び、その保全を訴えたという。

 なお、研究の詳細は国際誌「Phytotaxa」にオンライン掲載されている。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

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