まだまだパッとしない!大相撲名古屋場所2日目

2017年7月11日 08:08

印刷

■名古屋場所2日目

 10日、大相撲名古屋場所2日目が行われた。注目は初日で大崩れした上位陣が、立て直しできたのかという所だっただろう。まず登場してきたのは大関・照ノ富士。対戦相手は現在関脇で今場所を大関昇進の足掛かりにしたい玉鷲。当たってからの反応は玉鷲の方が速く、ノド輪で照ノ富士をのけ反らせるとそのまま一気に突き出した。

【初日は】上位陣大崩れの名古屋場所初日 2横綱3大関に黒星

 次に登場したのが新大関・高安。今や高安の代名詞と言えるカチ上げで優位の体勢を造るとそのまま相手を押し込み寄り切りで勢を圧倒し、館内を沸かせた。続く大関・豪栄道は嘉風と対戦。立ち合い呼吸が合わず2度も取り直しを行ない、少しいただけない雰囲気となった。3度目の立ち合いで頭から当たった豪栄道だったが両差しで寄り切られ大関の意地を見せることができなかった。

 横綱陣は白鵬が栃ノ心に、鶴竜が琴奨菊に勝ちそれぞれ連勝。この日一番の注目を浴びた稀勢の里は初日に照ノ富士を破った貴景勝との取り組み。当たって離れて、を何度も何度も繰り返す展開で最後は稀勢の里が突き落としで貴景勝を下した。あまりいい取り組みとは言えなかったが、結果を求められる場所のためなりふり構っていられないというのが正直なところだろうか。これ以上白鵬に離されてはいけない稀勢の里にとって、大きな1勝となったことは言うまでもない。

 結びの一番は日馬富士と正代の取り組み。日馬富士は押し出しで敗れ、正代に初金星を挙げられ2連敗。大関、横綱陣の結果は4勝3敗と相変わらずピリッとしない形で2日目を終えた。

■宇良の快進撃は続くか

 逆に注目を集めている力士がいる。宇良だ。十両時代から誰も見たことの無いような決まり手で周囲を驚かせてきた宇良は先場所の快進撃そのままに今場所も館内を沸かせている。小兵力士というイメージが強い宇良だがいきなり10キロ増量したというだけあってかなり大きく見えた。

 大きくなってもスピードは衰えておらず、さらに番付を上げてくることが期待できる。今場所は2連勝と好調な発進。現在は前頭4枚目と、勝ち越せば来場所には三役も見えてくるだろう。

 そうなってくると遠藤、御嶽海、正代あたりは「宇良に負けていられない」となり、若手から中堅の力士たちに活気が出てくることだろう。上位陣がパッとしない今「相撲界を盛り上げるのは俺たちだ!」という力士が一人でも多く出てきてくれることを願う。

関連キーワード

関連記事