上位陣大崩れの名古屋場所初日 2横綱3大関に黒星

2017年7月10日 07:16

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■気になる田子の浦勢

 9日、大相撲名古屋場所の初日が行われた。注目は先場所怪我で休場した稀勢の里と、今場所から新大関となった高安の田子の浦勢。懸賞も多くかかる中、両者ともいいけいこをつけることができ、万全の状態で初日を迎えたかと思われた。

 しかし蓋を開けてみれば、高安は北勝富士に、稀勢の里は御嶽海に敗れた。特に稀勢の里は立ち合いから御嶽海に圧倒されると、あっという間に土俵際まで追い込まれた。1月場所の千秋楽で白鵬と対戦したような状態と重なるものがあり、しばらく土俵際で耐えていた。ところが、そこからはどうすることもできず最後は力なく寄り切られた。

 高安も立ち合いで不利になると一度は盛り返したものの最後は押し倒されて土を付けてしまった。新大関となり弾みを付けたかった一番だけに、あっけない幕切れとなってしまった。

■2横綱3大関に黒星

 名古屋場所初日の波乱はこれだけではなかった。高安を含む大関陣が3連敗、さらに横綱陣は稀勢の里の他に日馬富士も土を付けてしまった。大関、横綱7人もいる中で勝ったのは白鵬と鶴竜だけというなんとも寂しい結果となった。

 一方、強さを際立たせたのが白鵬である。先場所15戦全勝で優勝を果たした白鵬は盤石の相撲で琴奨菊を下した。この一番を見て「今場所も白鵬で決まりだな」と思った相撲ファンは少なくないだろう。これだけ多くの大関、横綱がいるにもかかわらず、初日で優勝の行方が見えてしまっては面白くないだろう。

■巻き返しに期待

 大関、横綱に上り詰めた者達はみな大なり小なり、厳しい戦局をこれまでに何度も迎えてきたはずだ。それがケガであったり、スランプであったり力士によっては異なるだろう。それでも逆境を何度も乗り越えてきたから今の地位が築けているのだ。

 まだ初日が終わったばかり。初日敗れた横綱・大関陣も、2日目以降は立て直し、優勝争いを盛り上げることを期待したい。

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