インターネットを介したモノやサービスのシェアビジネス市場に拡大の兆しがみえている。情報通信総合研究所が28日に発表したWebアンケート調査によると、2016年におけるサービス提供側の収入は約1兆1,800億円が、将来的には約2兆6,300億円になる可能性があるという。
【こちらも】シェアリングエコノミーの始まり 民泊の次への課題は?
調査では多様なシェアサービスをスペース、モノ、移動、スキル、お金の5つに分類、サービスを提供する側と利用する側でやり取りされる金額を市場規模として捉え推計した。対象となったのは20代から60代の日本人男女で、合計2,663人。
スペースに該当するのは例えば空き部屋や駐車場、モノはフリーマーケットやレンタルサービス、移動はカーシェア、スキルは家事や子育て、各種技能、お金はクラウドファンディングなどとなる。
総合的には提供側が2016年の収入約1兆1,800億円、潜在市場約2兆6,300億円だったのに対し、利用側の2016年支出額は約4,400億円で、潜在的には約1兆1,100億円。
提供側で2016年の収入が最も大きかったのはスペース(約6,800億円)で、次点にモノ(約2,200億円)のシェアが続く。
20代から60代までの年代別にみてもスペースやモノの提供は多く、特に20代で顕著だ。今後自身が培ったスキルを活かしたいと考えている人も全世代に比較的多くみられ、クラウドソーシングでの技能提供も増加する可能性がある。
利用側のトップは移動(約1,500億円)で、次にスペース(約1,200億円)の順だった。
利用側においては、移動のシェアがこの先さらに増えると予想される。2016年時点でもその支出額はトップだが、潜在市場は約4,000億円と、伸び代と金額ともに最高だ。背景には地方における移動手段の不足があり、そのためシニア層が買い物や病院に行けないという事態の発生が現在課題となっている。
なお、提供側と利用側の金額に差が生じたひとつの理由としては、例えば空き部屋を借りた訪日外国人などの、日本人以外の利用者が含まれていないことが考えられる。観光客数は著しく伸びており、2016年のスペースにおいては単純計算で5,000億円以上の差があるが、これは両者の隔たりの大部分を埋められる金額である。
シェアリングサービスは、提供者と利用者、各種シェアなどの面からみても将来概ね2倍以上の市場に成長する見通しだ。人手不足やピーク需要への柔軟な対応、また眠った資産の活用を可能にする新しい経済活動としての発展が期待される。(小椋恒示)
関連キーワード訪日外国人、クラウドファンディング
スポンサードリンク
- 道路貨物運送業者、2016年の売上高合計は約20兆760億円 6年連続増収 6/27 07:22
- 新設住宅着工戸数、今後は減少 2030年度は16年度の6割以下に 6/26 08:22
- IoT技術活用の医療機器・システムは増加 2025年は16年比2.2倍の1685億円 6/24 13:48
- ブロックチェーン市場、2021年まで平均133%成長 非金融でも中核技術へ
6/23 07:57
- 次世代環境自動車向け二次電池、16年は1兆4260億円 25年には6兆6138億円に 6/19 11:11
スポンサードリンク
「経済指標・統計」の写真ニュース
-
ドライブレコーダーの販売、10月以降に急増 あおり運転事故の影響か
12/26 17:15
-
清酒メーカーの売上は回復傾向 「獺祭」旭酒造が急上昇 帝国データバンク調査
12/25 06:15
-
11月のコンビニ売上高、競争激化で既存店は6カ月連続の減少
12/23 17:27
-
冷凍米飯などの国内市場好調、「チャーハン戦争」勃発へ
12/22 16:55
-
小規模企業も売上・採算が改善傾向に 日本政策金融公庫が11月動向を発表
12/22 11:05
-
ヤマト運輸とCCCがサービス連携 Tポイント利用や宅配ボックス設置
12/26 06:57
-
【新幹線:緊急大整備を!】大事故の予兆?「関わりたくない」の声 車では?
12/25 10:06
-
タクシーをさらに利用しやすく 「相乗り」の実証実験が開始へ
12/25 06:40
- 住友林業が熊谷組と資本提携した理由 12/25 06:28
-
清酒メーカーの売上は回復傾向 「獺祭」旭酒造が急上昇 帝国データバンク調査
12/25 06:15
-
【あなたのクルマは何?】FF・FR・4WD・RR・MR・FMR?どれを選ぶべきなのか?
12/24 17:13
-
ネットサービス利用者数、スマホ1位「Google」 アプリ1位「LINE」
12/23 23:41
広告
広告
広告